クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

世界一快適なロードスター その3

2020-12-22 10:16:24 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
めざせ世界一快適なロードスター

乗用車のバネレートと比べてNA8C(ロードスター)は、
2ランク程低いレートが純正採用されています。
(乗用車のバネレートはメーカーを問わず、かなり狭い範囲に集中しています)

スポーツカーなのにバネが柔らかい???世間の常識では???

その分なのかどうか、乗用車よりも高い減衰値が仕込まれています。

つまり低バネ/高減衰と表現される組み合わせです。

減衰値が高くバネが柔らかいとどんな印象なのかと言えば、
車体が沈み込むにしても伸び上がるにしても、
ダンパーによってサスペンションに強いブレーキがかかっているので、動きを感じ取りにくいと言えます。

自由振動を減衰させるとか、衝撃を吸収してくれるのがダンパーのイメージですが、
減衰値は時間あたりの「ストローク量」を制限する力、あるいは同じストロークをするのに
「かかる時間」をコントロールする力と考えることもできます。

なのでロードスターは常にダンパーの効きを「強めに」感じられる乗り心地とも言えます。

本来柔らかいバネは、大きくロールするものの大きな減衰を必要としません。

つまり低バネ/低減衰の組み合わせもありということです。

このことを踏まえて「乗り心地」にこだわる減衰力チューニングをしたらどうなるか。

乗り心地のための減衰値/ハンドリングと安定性のための減衰値。

このバランスをまず「乗り心地より」にチューニングして、その後に安定性とハンドリングに必要な減衰値を考える⋯