クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

虎クッション

2020-08-04 11:14:42 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
時々、グリップ感がない。とかトラクションが欲しいと言った言葉を耳にします。

未舗装路の不安定なグリップの中でタイムを削るダートトライアルなら、
サスペンションをどういじればグリップ感が改善されるのか日々の課題なので、
この言葉は珍しくはありません。

しかし舗装路でトラクションが⋯⋯となるとどうなんでしょうか。
ドライであればタイヤと路面の関係(グリップ)は安定しているはずです。

そこで考えられるのはタイヤグリップに頼り過ぎのケース。
グリップには当然ながら上限があります。
あるのに気持先行型の人がつい発しそうなのがグリップが足りない⋯⋯だったりすることもあります。

次はタイヤを地面に押し付ける垂直荷重不足、これは旋回中に一輪が浮いてしまって四輪駆動車なのに駆動抜けが生じた時とか、
びくともしないほどサスペンションを固めすぎてしまって、グリップが薄い印象の時に発せられます⋯⋯トラクションが。

それから、タイヤが地面をとらえた力が駆動力、いわゆる車体を押すトラクションになるのですが、
バネとショックアブソーバーがいい加減な組み合わせだとタイヤがだらしなく空転することがあります。

例えばショックアブソーバーが弱すぎ(減衰不足)てバネの抑えが効かない状態だと、
タイヤを押さえつけておくことができず、グリップ力が途中で解放されてトラクション不足に感じます。

バネに対して加減衰の場合、今度はタイヤを弾ませたりグリップが「薄い」印象になったりするので、これもトラクション抜けと言えます。

さて、加速方向のトラクションと旋回中のグリップ感は話題になったりあるいは関心ごとだったりするのですが、
減速方向のグリップ感の話は滅多に聞かない気がします。

ブレーキングのトラクションも大切なんですけどね〜