クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ポロGTIの場合 その4

2017-10-09 10:28:22 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ショックアブソーバーを新たに製作する場合、各寸法を決めるのはもちろん「減衰値」を仕込みます。

それって純正値を参考にするんでしょ?⋯⋯今回のポロGTIの場合はその純正の乗り心地が気になるので、そのままというわけにはいきません。

それとビルシュタイン(モノチューブ)で純正値に近い値を採用するとしても、ツインチューブとの印象違いを考慮しなくてはいけません。

どのメーカーのものを使っても減衰値が同じなら結果は同じだよ⋯と言い放ったある人の言葉を思い出すのですが、そんなことはありません。
メーカーが変わると同じ減衰値を仕込んでも乗り味は違います。

ショックアブソーバーの形式がツインチューブ同士であっても、モノチューブのメーカー違いであってもです。

ショックアブソーバーに仕込まれている減衰値が大切なことには変わりないのですが、乗り心地を決める要素は他にもあり、
そちらの印象を乗り心地の良し悪しと捉えることがよくあるのです。

ビルシュタインショックで言えば、高圧ガスで加圧されたオイルで満たされたチャンバーの中をピストンが動くので、遊び感がなく応答性が良いのですが、
減衰力値の仕込みがうまくいっていない時には、ダメな結果もハッキリすると言えます。

さて減衰特性の話です、ポロの純正データは飽和型と呼ばれる三分の二乗型の特性に見えます、しかし今回は考えがあってリニアタイプの特性を選択しました。

低速域の数値を低くして、サスペンションの動き始めをスムースにして乗り心地に配慮します。
するとハンドリングのための減衰値は最小になるのですが、日常走行で不自由ありません。
この辺りが狙い目です。

続く⋯⋯