クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

車間距離

2017-10-02 10:05:42 | NEWTON BRAKE
車間距離の話は耳タコだと思いますが⋯⋯

「車間距離」は前走車(あるいは前後走車)との安全を保つための距離のこと。

その目安は自分の反応時間1秒と余裕しろ1秒を合わせた計2秒が必要と言われています。

前の車が急ブレーキをかけたとしても、瞬時にゼロスピードになるわけではないので、同じようなブレーキか、
より強めに掛けることができればぶつからないという計算です。

ただし2秒ルールは前走車と「同じ速度」で移動している時の話です、自車の速度が上回っていたら適用外です。

では道路上に速度ゼロの障害物があるとしたら⋯⋯
この場面が出てきたら自身の反応時間と制動停止距離の合計でもってぶつからないで済むかどうかが決まります。

時速100kmからゼロスピードまでの停止距離はドライ舗装の条件下で、0.8G以上の減速が間髪入れずにできたとして70mほどです。

時速100kmからの制動停止距離は40数メートル⋯⋯のデータを見たことがある方はあれれ⁉︎と思われるでしょう、
あの数値は制動を開始したところから測った距離で、空走距離だとか減速Gの立ち上げに要する時間を含んでいません。

時速100km時の1秒の空走距離は27.7m⋯⋯
アクセルペダルに足を乗せているところから、正面の道路で起きていることを認知、判断して、ペダルを踏み替えて制動が始まるまでに
最低でも0.8秒以上かかると言われているので、27.7×0.8は22m、先の40数メートルを足すと70mほどと言う説明につながります。

高速道路をノホホンと走っていて、サーキットアタックと同じ「フルブレーキング」がためらわずにできたとしての話なので、
70mで誰でも止められるとは気楽に考えない方がいいと思います。


一度でも時速100kmからフルブレーキでクルマを止めたことのある人ならまだしも、そこが未体験の人は、
ある意味怖さも距離感もよくわからない、何かに備えようといった心の準備も曖昧なままです。
そうなると出たとこ勝負的なドライビングに日々挑戦⋯⋯していることと同じになります。


心配し過ぎかもしれませんが高速道路は流れに乗った運転の組み立てが難しい場所だと言えると思います。

ゼロスピードの障害物のことまで考えると、自分がドキドキしないでいられる「空間」を前にも後ろにも確保するのが正しい車間距離の考え方かもしれません。

えっ⋯後ろにもと思われた方は、フルブレーキングのシーンを思い浮かべてください、後続車が同じブレーキングができないと、あなたが障害物になってしまいます。