クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

後方確認

2014-10-02 23:07:08 | なんでもレポート
市役所の駐車場で待っていると玄関から老夫婦が出てきた。
私の正面に何台か止まっている自動車に向かっているように見えるが、
二人の歩みがまず気になった。

背中の丸まったお婆さんのゆっくりさ加減は、フツーの大人の三分の一程の歩み、
お爺さんは五分の一、先が三本に分かれている杖をついて、一歩一歩左右に上体を揺さぶりながらわずかな歩幅で歩む。

近付いて行くにつれて、車が特定された。
ならば車には運転手が待機しているはず。
しかし運転席に人影は見えない。

運転席側にお婆さんが立ち、手提げ袋からキーを取り出した。
えっ!まさか!
キーを顔に近づけてロックボタンを確認、すぐにロック解除のランプが点灯した。

まずリヤドアを開けて後部座席に手荷物を入れる。
お婆さんの身長は130~140cmあるかないか。

やっとお爺さんが左ドアに到着、ユックリとした動作で杖を始末し、次に自分の体を車の中に入れた。

それを見届けたお婆さんが運転席に乗り込んでスタートするのかと思ったら、
もう一度ユックリとした歩みで、これからバックさせる後方の確認に車の後ろまでやってきた、
ちゃんと周りを見渡しやっと運転席に乗り込む。

やがてバックランプが点き、そろりと車が動き始めた。
二人はおそらく80歳前後、歩くのがやっとのお婆さんが運転をすること!
そしてそのお婆さんが身をもってしっかりと後方の確認をしたこと!

運転手心得を改めて教えてもらった気がする。