クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

検証バランススロットル 44

2010-12-26 21:15:15 | バランススロットル

後手ゴテ運転

あるコーナーにさしかかったとしよう。
減速動作を終わらせて、旋回開始のスピードが決まった瞬間に、
その先で描くことのできる最小Rは決定する。
そのまま旋回を開始すれば、速度に従ったハンドルの切り込み角以上に
切り込んでも、Rは小さくはならない。
曲がれ~っ!と叫ぼうが、ハンドルを更に切り足そうが、いくら気合を入れようが
曲がらないものは曲がらない。
後手ゴテの操作はまったく役に立たないということだ。
知っての通り、ハンドルを切り過ぎてよいタイムなど出る訳がない。
じゃ一体どうすれば後手ゴテ継ぎ足しの操作なしに走らせられるのか?
コーナーへの進入速度の管理がポイントになるのだから答えは簡単。
“減速技術”にその全てがある。
おおまかには、操作技術と判断力をバランスよく身につける事で
減速側のコントロールができるようになる。
ブレーキングと聞くと、ブレーキ能力も関係するのではと考えそうだが
確かに良いブレーキングシステムは必要。しかしどんなに良い装備を持った車でも、
ブレーキングという行為はドライバーの技量にその全てが託される。
ブレーキシステムが車体の速度を落とすのだが、どこからブレーキングを開始するのか、
どのくらいのマイナスGを出すのか、どのくらいのスピードまで落とすのかの
判断と行動は、全てドライバーがやる事だ。
減速のセンス、イコール、ドライバーの技量を決定づけるもので
上手なドライバーと不味いドライバー、あるいはプロとアマチュアを分けるのはブレーキングだ。
別な表現にすれば、マイナスGのコントロールとも言える。
300㎞/hからヘアピンの進入をピタリと合わせられるF1ドライバーを見れば納得いくハズだ。
どう車を曲げるのか、どのラインを通るかを悩む前に、どう減速するかを知ることだ。
後手ゴテの運転をしない為にも・・・。