トランペッターのArt FarmerやピアニストのTommy Flanaganを中心として、ごく短期間だけ結成されたジャズ・コンボであるNew York Jazz Sextetによる(おそらく)唯一の録音作。その他のメンバーで僕の知っている人は残念ながらいないのだけれど、いずれも当時の中堅所のプレーヤーが集まっているそうです。録音時期が1965年ということで、いわゆる50年代ブルーノート的なゴリゴリのハードバップではなく、全体的に丸みのある華やかな演奏が繰り広げられている佳作。特に美しくも儚いピアノとフルートの旋律、Marie Volpeeの気だるいスキャット・ワークが印象的なB-1のGiant Stepという曲が良い雰囲気です。先日発売されていた須永氏による「夜ジャズ<裏>」にも収録されていましたね。このテープを聴いて最初に自分の中で引っかかったのがこれでした。テンポ的にも速すぎず遅すぎずに良い感じ。聴いていて気持ちいいです。某中古チェーンで1000円以内で当時の国内盤を見つけたわけですが、オリジナルが果たして高いのかどうかは知りません。ただ、いろいろ調べてみたところこのテイチクからの国内盤はどこでも割と安いそう。ジャズの旧譜って高い盤が多いのが若者泣かせだと思っていましたが、安くても良い盤ってのもやっぱりあるんですね。そして、鬼のような高額レア盤とこういうどこにでもある盤を1つのテープに収めている辰緒さんは改めて凄いなぁと実感。
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