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まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

父帰る

2015-09-24 | 暮らし

父が、5月以来の外泊で自分の家へ帰ってきた。入院生活が長いので、自分の家へ帰る事を、外泊と言ってしまう辛さ。

病室から車までは車椅子だが、その後が大変だ。車に乗るのもやっとの足で、乗ったら今度はお尻の位置を動かすのもやっと。帰る前に、どうしても墓参りをしたいというので、殿と舅の墓へ寄り、花と線香を供えた。父は降りずに、横付けにした車の中から数珠を持って手を合わせていた。幸い墓が駐車場の横にあるのでありがたいことだ。ドライブスルーな墓だ。

父母は久しぶりに、互いにとりとめのない会話を延々としていた。年寄りは、話したことを忘れ、聞いたことを忘れるようで、エンドレスな会話は続いている。良い事である。人生はエンドレスかもしれない。さして、成長もせず、ましてや齢90歳ともなれば仕方がない。しっかりしているほうである。冗談も言う。

家の椅子は座り心地がいい。うちは天国と地獄の差がある。足が弱った。と、同じことを何度も言っていた。

実家に20年ぶりくらいに泊まった。母が心配だったからだ。父は少しのお酒を、わたしの作った盃で半分飲んだ。しかし、この盃は春の絵である。筍とわらび。あっという間に、秋になったなあと思う。

タブレット端末で、YOU Tubeを聞かせた。昔の歌を聞けて、「赤木の子守唄」とか、田端義男だとか聞けることに驚き、3人で盛り上がり「カラオケ行かんでもいいんなあ。」と、言いながら父は、その後疲れたようで早めに床に入った。

次の帰宅はいつになるだろう。わたしの娘と孫がシャボン玉をしてくれて父はひと時、孫とひ孫との時間を過ごした。


劔岳 点の記

2015-09-24 | 映画

「劔岳 点の記」をTVでしていた。映画館で観たが、素晴らしい映画だったので、もう一度観た。明治末期に陸軍の測量部によって立山連邦で行われた測量に取り組んだ男たちの物語だ。

やはり映画館の大画面で観る立山連邦の景色の美しさと迫力は格別だが、自宅の画面でも十分美しく、山の過酷さが伝わってくる。

二度目に観ると、忘れていたことや、小さなことを発見する。浅野忠信演じる主人公柴崎芳太郎と、宮崎あおい演じる妻が、今晩のおかずを何にするかという何でもないセリフのやりとりに、いいなあとほのぼのした。また、役所広司演じる柴崎の先輩が弓道をしている場面に遭遇し、思わず嬉しくなったりする。四つがけで引いている。

日本を代表するカメラマン木村大作の初監督作品といわれるだけあって、迫力ある山の映像に、登山の厳しさを感じる。空撮やCGに頼らずと言うが、あの雪崩のシーンはどうやって撮影したのかと思う。

疲れたときは、この映画の山を観るだけでも癒される。