広島の営業所の中〇さんが、年賀式で勤続表彰を受けるために、前日から加賀市で泊まることになった。彼女の年代は、男女1名ずつしかいない。私たちのときは、80名余の採用があったのにである。
わたしが、今の仕事をするために広島ヘ何回も出張に行き、仕事を習い、夜の食事にも付き合ってもらっていた。大変お世話になったので、今回は精一杯のおもてなしを。
山中あやとり橋、こおろぎ橋、ゆげ街道。大聖寺は全昌寺も案内し、山代温泉で食事の前に古総湯へ入った。古総湯は、うわさには聞いていたが、ほんとに洗うところはない。脱衣所は湯船の見える風呂の片隅で、大きなビニル袋に脱いだ服を入れる。湿気で服が濡れるらしい。浴槽の湯をかけ湯にして入ると、大変ぬるい。首までつからないと、肩が寒い。かといって、ずっとつかっているとのぼせるかもしれないが、ぬるいので湯が湧き出てくる口までいくと少し温かい。途中で係りの人が測りに来たので聞くと、40度と言われた。ということは、離れているところは38度くらいかも。
昔ながらの総湯を再現したものということで、風情がある。大きな扉は男湯に通じているのだろうか。ステンドグラスの窓もよい雰囲気。ただひたすら湯船につかっているだけなので、一緒に入っている人たちと自然と話ができる。
500円で湯につかるだけなので、やはり長く入っていたい。ぬるい、ぬるいといいながらも、額にじんわりと汗が滲んできた。上がった後は、いつまでも体かほかほかしていた。
美味しい刺身と、料理に運転手でなければ熱燗なのだが、ここはノンアルコールビール。
中〇さんを喜ばせようとしながら、わたしの方が楽しんでいた。