goo blog サービス終了のお知らせ 

まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

甲野さんの本

2015-09-02 | 読書

今更と言われそうだが、スポーツで筋肉を使うのではなく骨の使い方が分かれば、もっと体が動くというもの。

お馴染みの武術研究家の甲野善紀氏と、スポーツトレーニングの革命児といわれる松村卓氏の対談である。

弓道は骨法で正しく弓を引くことが基本である。そのことから、他のスポーツにも通じる話をするのであるが、甲野氏は、弓道に対して的確に説明している。さらっと、弓道の事を語り、さらっと弓返りについても語っている。

何が原因で弓が回らないかと難儀しているわたしにとって、弓道が本職でない氏から、弓は回るのが当たり前といわれると、穴があったら入りたい。確かに回って当たり前なのである。回らなくしている原因が自分では分からない。自分でひねくりまわしても回らない。いろいろな先生の言葉を信じて、ああだこうだとやっているうちに迷いだす。

話を本に戻すが、他のスポーツについても興味深い内容が書かれていておもしろい。骨は大切なのである。しかし、正しくしようとすると骨が折れる。


美容室のモデル

2015-09-02 | 暮らし

小百合が美容室のモデルなら分かるが、小百合ではない。

父の見舞いに行くと、階段の上がり切ったところに「出張散髪」という広告が掲示されていて、病院の近くの美容室の広告があった。そこには、3人の女性に混じって、父の顔があった。とても90才とは思えない若い顔だった。

父の病室に行って、そのことを伝えると、歩行器を使って見に行くと言う。足はだんだん衰えているが、食欲はあるし、頭のほうもしっかりしているので、長い入院がかえってつらい。

父は自分の顔が写っているのを見て「ほんとや・・」と、笑った。母はそばで「尋ね人みたいや・・」と、言ったが、わたしは心の中で「お尋ね者」ではないか・・と、思いつつ口にしなかった。

部屋へ戻ると、ひげをそってほしいという。手も震えがきている。そっとひげをそりながら、一時帰宅をうながした。母が大変だから帰れないと言うので、わたしが泊まってあげるからというと、父は嬉しそうだった。わたしは家へ帰って思い出して少し泣けた。ずっと入院させたままではつらい。親が年をとって動けなくなる姿をみるのはつらい。

けれど、別れはそう遠くない。出来るだけのことをしたい。少し涼しくなってきたので、そろそろ帰りたいだろう。父は殿と舅の墓を参りたいという。最後のお別れが出来なかった父は、病院のベットで泣いた。父の泣くのは生まれて初めて見た。そして、父の前で泣かないわたしを「お前は強いなあ。」と、言った。

わたしは、めったに親の前で泣かない。そんな風に育てたのは父なのに彼は忘れている。「そんなことぐらいで泣くな。」と、いつも言っていたではないか。おかげで、良いか悪いか、人前では泣かない子になった。もう子ではないが、両親から見ればいつまでも子である。この年で両親がいることは幸せかもしれないが、夫を亡くした娘をみることになった両親を悲しませる結果になったことが残念だが仕方がない。

人生は無常であると父は言う。