まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

着物について

2016-04-28 | 弓道

たまに着物で稽古をすると、襟の汚れが気になるので、つけ襟を付けたらぶかぶかと浮いてくる。また、着物の裄丈が長いのが気になって、そのたびに呉服屋の華やさんに聞きに行く。広襟を弓道の時に着るとき少し面倒なので、半分にして縫い付けたら、なんかおかしい・・と、尋ねると、半分にして縫っては襟がよれるし、広襟はきれいに着るためにあるので肩のところまで縫ったらよいとのこと。何でも楽にしようとして本来の意味が分からなくては駄目なんである。いつも、つまらない質問にも丁寧に相談にのってくれる上にコーヒーまでご馳走になる。

着物を切る話や、着物を長くしたり短くしたりすることの難しさも聞いた。また、着物を縫う仕事の大変さを聞くと、縫い賃はもっと取っても良いのではと思ってしまう。かといって、買い手側になれば安いほうが良いに決まっているが。

たたんでタンスの前に置いてあった着物を、弓道の時に着ようかと思っていたものが、背筋のところがたとう紙に入っていたにも関わらず、日焼けして色が抜け落ちてしまった。がーーん。それも、染めなおしてもらったら、前よりずっといい色に仕上がって嬉しくて仕方がないが、残念ながらなかなか着る機会がない。

今度の審査には、ついに切ってしまった着物を持っていくので、染めなおしの着物はそっとタンスに入れた。


兜をもらう

2016-04-28 | 暮らし

おあつらえむきとはこのことだ。近所のMさんは折り紙名人で、簡易郵便局がそばにあるが、いつも季節ごとに折り紙が飾られている。今日、うちの姑に老人会の旅行の出欠を聞きに来てくれた。姑は耳が遠いので、電話できないので必ず来てくれる。玄関にでたわたしに、ほいと兜をくれた。

玄関に人形があって、新聞の兜でも作るか・・・と、思いつつもそのままになっていたので、ちょいと載せるとぴったりだった。これを「おあつらえむき」というのだろう。金と赤の両面でしっかりした紙である。

Mさんの前で載せてみて、「うわーー。ぴったりやわぁ。」と、はしゃいでしまった。姑も「あらぁ。かわいい。」と、笑っていた。人が喜ぶ趣味はいい。弓を引いても、家族も他人も喜ばないなあ。自分も成績が思わしくないと落ち込んだりする。

これって一体・・・

 

 


ANDROID

2016-04-27 | 暮らし

入院中の殿に買ってあげたタブレット端末が便利なので、ガラケイをスマホに替えずに、タブレットを継続することにした。しかし、孫がゲームのyouTubeを、ずっと見ていたら制限のGB数を超えてしまって、インターネットの速度が遅くなってしまった。だが、孫はたまにしか来ないのに、毎回20日くらいになると、タブレットを見ることができないほど動かない。パソコンで見れば制限がないのでよいが、2階まで光が届かない。結局、寝る前にタブレットを持って二階へ上がってもあきらめるしかなかった。ちょい歌を聞いてみるか・・と、思っても残念な結果だ。

先日、ドコモショップへ行って、いくら払えばもう少し見ることができるのか聞きいたら、家の中でするならルーターがあればで「wifi」で見放題という。そういう手があったのか。分からないことは聞くに限る。早速、設定を教えてもらって家へ帰ってルーターの型式を見ようとしたら、暗くて小さくて見にくい。ルーターを引っ張って、明るいところへ出して虫眼鏡で見た。この辺が年よりくさい。年よりといえば、考えてみたら、現在は80や90の年寄りがパソコンする人は少ないが、これから先はスマホもパソコンも100歳の人でもするようになる。生きていればの話だが。

その為にも、環境設定や字の大きさなどを考えなくてはならない。何が邪魔臭いかと言えば、パソコンを買い替えて設定をするときや、光を乗り換えるとプロバイダも変わると言われると替えれない。

ところで、「アンドロイド」って、人造人間のことではなかったか。ついに、アンドロイドと遊ぶようになってしまった。

 

 


しんがり  その2

2016-04-24 | 暮らし

「しんがり」は、テレビドラマでやっていたようだ。DVDレンタル 新作のところにあった。何となく俳優のイメージが本と違った。実際、DVDを観たわけではないので、何とも言えないがどうだろう。そんなこととは知らずに、本をチョイスした偶然。

本を読んだあと映画を観たいと思うときは、好きな役者が出ている時かもしれない。映画を先に観てしまうと本は読めなくなる。

それにしても、会社社会でトップに逆らうということはなかなかできないものである。また、取り調べを受けて逮捕の危険がある社員の話を、深夜までとことん聞いてあげる優しさや、経営陣にきちんとものが言えるということに憧れる。

「人間は弱い。取り調べで追い込まれた人間をひとりぼっちにすると、自殺まで考えるよ。俺たちでケアしてやろう。」業務管理本部、通称ギョウカンの常務が言う。場末といわれる部署に配属された常務がかっこいい。会社のためと自分に言い聞かせ、不正に手を染めていく、サラリーマンは正義感だけで生きていけるわけではない。

さて、サラリーマンでもないのに、いじめに合うときがある。スポーツの世界でそれがあるのは問題だ。先日、「スポーツ界におけるコンプライアンス」として、県の弓道連盟よりメールが入っていた。「反社会的勢力との関与」遠回しな言い方だが、そういうこと。「違法行為(八百長、賭博)」「違法薬物」・・途中略・・「各種ハラスメント」モラハラも含められる。差別問題。これって、男女差別も入る。「スポーツの価値を貶める行為」弓道で言うと、「恭、敬、愛」と、言われる行為から外れるのもよろしくない。

それとは話がそれるが、矢羽の問題で、ワシタカ類の羽を用いた矢羽について制限が出された。関連法令に違反する取引がなされていた可能性があるということから、制限されることになったが、その中で怪しい矢羽に関して常に「トレーサビリィティ証明書」を、携帯しなくてはならないことが義務付けられた。

会社のISOの監査の日を思い出す。仕事の前向きなスピードを鈍らせる厄介なものに思えた。そのISOで聞きなれた言葉を、趣味の弓道でも聞くとは思いもよらなかった。コンプライアンスとか、トレーサビリティとか、日本語で言えないのかと思っていた。「追跡履歴」とか、「法令遵守」とか言ってくれたら漢字で感じが分かるのに。それが定期的にあり、毎回ホリエモンが悪いのだと腹立たしさのやり場がなかったので、そう思っていた。過去の膨大な注文書や、売り上げのデーターなどの中から抜き取りで監査される。それをしている最中に、お客様からの注文や、問い合わせの電話が入る。現場からの電話がはいるわ、指摘されたデータの資料が見つからないわで、思い出したくないことが弓道をしていて思い出させられるとは。なんでや。

 


筍料理

2016-04-23 | 料理

母より電話があって、筍がたくさん出ているので採りに来てほしいという。男手のほうが良いかと、娘に電話すると、「予定が入ったのでいけない。」という。土曜には、出勤の日もあるので家族でのお出かけは大切であろう。仕方なく、鍬を担いで山へ行く。小百合とくわは似合わないのであるし、おまけに非力だ。1本掘るのに何分かかることか。

時折、思ったところと違うところにグサッと刺さることがある。しかし、なんとか掘れるようになってきた。午前中かけて11本収穫。

だが、このままでは明日の山中の試合には、黄金の腕が使えなくなるかもしれない。先日、山中で弓仲間と稽古したものが発揮できると良いのだが。

筍は魚と同じで、足が速い。掘ってすぐに、ぬかと鷹の爪であく抜きをしなくてはならないので、大鍋で茹でる。母と半分に分けて、残りを友達に持っていく。

娘たちは、料理したものを用意する。それも「わか竹煮」は、いらないという。昆布がどろどろになるのもいやだし、わかめも同様なので、料亭で出されるように一口ならいいと、高いお金を払う客よりもわがままだ。筍の酢豚を作ったら大喜びだった。鶏肉でもよい。また、ケチャップ味も斬新。

ついでに言うなら、高い金を払う料亭の客より、辛口な批評をするのも娘たちである。彼女たちが旨いと言ったら成功である。果たして。

 

 


花の時期

2016-04-23 | 暮らし

実家の山は花盛りだ。たらの木が枯れてきた。母の言では、タラノ木はある程度大きくなると、役目を終えて枯れるのだそうだ。

人間も年を取って役目を終えると枯れる。枯れるまでには相当役をこなさなくてはならない。

今年はオリンピックの年で、中学の同窓会4年に一度あるその年でもある。女子の役員は4名いる。今年は事務局のAちゃんが病気になってしまったので、Aちゃんの代わりをすることになった。どうも、いろいろな役を貰ってしまう。脇が甘いのかもしれない。別に脇にバナナを挟んで歩いているわけではないが。娘に言われた。「何でもひきうけんときねやって、お父さんが言うとるよ。」この頃、みんな言いにくいことは「・・・って、お父さんが言うとるよ。」と、言い合う。

しかし、4年前は役員を引き受けながら、はがきを出すところまでで、同窓会の前に癌の手術をすることになってしまった。みんなが心配してくれて、同窓会に出られなかったので、役員が集まり鍋パーティやバーベキューに呼んでもらった。今度はみんなでAちゃんを励ましたい。

この花を見せてあげたいなあ。この山を歩かせてあげたいなあ。

 

 


倦まず弛まず

2016-04-21 | 弓道

5月の弓道の審査が近づく。いつものことながら、何かと忙しさにかまけて稽古不足となるのを、なんとか自分に鞭打って出かけた。某アスリートがオリンピックに向けて「紙一枚の積み重ねでも」と、言っていたのが耳に残る。倦まず弛まずという言葉がある。地道に進まなくてはならない。たとえ紙一枚ほどの積み重ねでも、積んで行けばなんとかなるかも。

時間がなくても、内容の濃い稽古をしよう。

道場に着いたら、的貼りの日だった。みんなで破れた的に的紙を貼るのだが、本日はのりを刷毛で塗る係をした。のりの溶き方が少し濃いと言われた。内容が濃く、紙一枚の積み重ねだった。修行、修行。


あんドーナツ

2016-04-21 | 暮らし

結婚して10年か20年か忘れたけど、ずいぶん経ってから「実は・・」と、殿に切り出されて「ぎょっ!隠し子でもいるのか」と思ったが違った。

サンドイッチを家で食べることはあまりなかったので、サンドイッチを出したときに言ったのだ。「実は、サンドイッチが好きなんやっていうか、小さいころからあこがれとった。」とのこと。片手で食べる映画なんかに出る食べ物が、団塊世代にはかっこよかったのかもしれない。

さて、わたしも「実は・・」と、言いたかった。揚げパンとかあんドーナツが好きなのだ。ケーキより好きなのだ。しかし、すごく体に悪そうなので控えていたのだ。

甘いあんこの入ったものを、油で揚げて砂糖をまぶすのである。危険極まりない食べ物だと思う。しかし、「美味しいと言って食べるものに悪い物はない。」という娘たちの言葉に甘んじて、疲れた―――というときに食すのである。

夕べの「ためしてがってん」で、筋トレ後の牛乳と甘いものは、筋肉の衰えを補うというのを観て拍車がかかりそうだ。そして、口の筋トレをして食べるという怖さ。


着物を着る、切る

2016-04-20 | 弓道

九谷焼の先生の引っ越しの時にお手伝いをしたら、着物をいただいてしまった。先生は小柄なので丁度裄丈が合う。しかし、弓道にはそのままでは着付けが大変である。また持ち運びも重いし、何といっても袴の下が重なってごとごとする。

前に、呉服屋で作った着物の裾を思いきって切ったので、あわせて切ろうかと思ったが、裾の刺繍がもったいない気がした。

青の着物は、弓道にしか着れない色なので潔く切ったが、先生の鶯色は落ち着いていて、もしかして、この後着るかも・・と、切る、着ると、迷いながら、一度着て稽古した。

暑かったし、重かった。今度の審査には青色にしようかと思ったが、これは裄丈が長く、弓を引くと胸のあたりがぶかぶかになる。美しくない。

技量を美しさでカバーするには年を取り過ぎた。うう・・

そうだっ!二部式の着物にならないだろうか。


加賀温泉郷マラソン

2016-04-18 | 暮らし

夜中の強風は怖かった。家の壁や窓に当たる音が気になった。そして、朝が来ても風が弱まる様子はない。

マラソンはあるのだろうか。コーンが飛んでいかないのだろうか。ネットを見たら「中止」の案内。準備された方々お疲れさま。参加を申し込んだ選手のみなさんはさぞかし残念だったに違いない。

実家は中央公園の裏なので、マラソンがあると交通規制で行けなくなるが、中止となったので、風の被害がないか実家へ行く。途中公園を通った。木の枝が折れて転がっていた。風も止まない。

県外ナンバーの車が寂しそうだ。奈良、名古屋、つくば・・と、車が止まっていた。みんな踏ん切りがつかない様子で、そのへんを走っている人が何人もいた。

風は10時になっても強く、車のハンドルがとられた。町のあちこちに、コーンが積んである。公園の近くには飲料水の段ボールが積んである。

今日は、加賀市内はランナーがあちこちに見かけられた。若い夫婦も公園の周りを走っていたし、家へ帰る途中に、何人もランナーがいた。諦めきれない様子だ。自然には勝てない。


しんがり (山一證券 最後の12人)

2016-04-17 | 暮らし

1997年11月24日は、殿の会社の同期仲間と夫婦連れでイタリア旅行中だった。朝のテレビをつけてもイタリア語でのニュースは分からないのに、習慣でテレビをつけていた。すると、突然聞き覚えのある社名が飛び込んできた。「バンカー、ヤマイチ・・」えっ!と、観ると山一證券破たんのニュースだった。

それは衝撃的だった。どうして、あの大きな証券会社が破たんしたのか。そのことは、イタリア旅行にまぎれてしまった。4月初めに、図書館で「しんがり」を、見つけた時に思い出したのは殿と聞いたニュースの「バンカーヤマイチ・・なんたら、かんたら」だった。その後で、なんたら、かんたらが気になって、本を借りた。

崩壊した会社に踏みとどまり、仕事を続けた人たちがいた。「山一證券社内調査委員会」の人たちだ。また、それを支えた「清算業務」にあたった社員たち。この業務を行った、いわゆる「しんがり」(後軍)に加わった人たちの物語だ。

過去に「石川銀行」が、破たんしたとき、やはり業務の整理をしていた身近な人を知っている。その時は、行員の誰もが朝のTVのニュースで破たんを知ったのだ。支店長さえも知らなかった。年末の仕事納めの日だった。週刊誌で危ない、危ないと言われていたのに、行員はガセネタだと思っていた。

山一證券も、他の証券会社の不正を暴かれたことを知り、危機に直面していながら「自分だけは大丈夫だろう」と、思い込んでいた。その脅威をあえて無視する心理を「正常性バイアス」と呼ぶらしい。

わたしは、読んでいて、この「正常性バイアス」という言葉に反応した。災害や、余命どれだけと宣告されても、それは明日ではない。まだまだ先のことだ。自分は大丈夫だと思うこと。その気持ちはすごく分かる。脅威を無視するというか、怖いのでその部分を考えないように麻痺させてきた覚えがある。勇気を持って現実を直視するということは難しい。わたしのように、天真爛漫みたいに生きてきた人間は弱いのである。なので、自分が壊れないように麻痺させている。忙しくしていることもそのひとつかもしれない。

いかん、話があちこちしてきたので、なんたらかんたらを読み進めなくては。

 


500Mile

2016-04-16 | 暮らし

がああん。先日、福山雅治の月9「ラブソング」を観てしまった。新人の藤原さくらは歌手で彼女の「500mile」が、すごく良かった。ドラマの中で福山がその歌に合わせてギターを弾く。そのあたりは、福山が演技でなく彼女に合わせて楽しいんで弾いてるってかんじだった。

さて、「500マイル」という歌は、1960年代にアメリカのフォ―クソンググループの、ピーター・ポール&マリーが、ヒットさせた曲だという。日本でも多くのミュージシャンが歌っているようだ。このドラマを観るまで知らなかった。

聞いているうちに、泣けてくる。英語でも単調な旋律が馴染んで、やはり訳もなく泣けてくる。

あらら、月9にはまってしまったようだ。


先輩の蔵屋敷

2016-04-13 | 暮らし

弓道仲間で山中温泉へ泊る時に、世話をしてくれたS先輩の家へ行った。山中の町はずれである。おまけに、山の斜面中腹に建っているので、到着したら電話して在宅を訪ねなくてはならない。何しろ、道から玄関まで72段の階段があるのだ。神社のように気高いのである。

「おー、上がってこい。ハクビシン捕まえたし見てみ。」であった。小さなかごにハクビシンがいた。顔を近づけたら「ヒィーー!」と、威嚇された。S先輩に家には、クマが何回も屋根に上ったという。雨どいにつたってあがったり、梯子をかけたままのときに梯子からあがったり。時には、屋根から落ちて下屋を壊したこともあるという。家までの崖には、猪の穴もたくさんあるという。

道路沿いに車庫があって、蔵を改造したところには、囲炉裏がきってある。友達と酒を酌み交わすときは、家まで上がらずに、改造した蔵の中で飲むのだそうだ。殿が生きていたら、殿は酒宴に絶対によばれていただろう。ほろ酔いで夜中に帰るときに熊に襲われないように、道路沿いにできた蔵でなら安心である。

S先輩は、高校時代からの先輩である。考えたら高校からずっと先輩たちと弓を引いているということは、驚異である。釣りの竿と木彫りの鯉の自在鈎が雰囲気を出していた。


今年のぼく

2016-04-09 | 暮らし

毎年、ひな人形を片付けた後、五月人形の代わりに、玄関の飾り棚に飾る「童子」唐子さん作。なかなか表情の可愛さを撮ることができない。

カメラが悪いのか。腕が悪いのか。

今年も愛らしい姿。なるべく光にあてないよう気を付けて飾る。陽の光で服がはげないように。

実は昨年はひな人形も「童子」も、飾れなかった。2月末から3月8日まで殿と一緒に病院にいたからだ。今年は少しずつ元気を取り戻して、人形も命を吹き返すような願いを込めて飾った。

ようやく春休みがすんだ。1日中子供を相手にしていると、へとへとになる。新1年生が、夕ご飯を食べずに寝てしまうと保護者から聞く。こちらも、夕食を終えると意識がぼんやりするのも仕方がない。しかし、風呂に入るとまた蘇る。50度の湯に浸けると野菜がパリパリになりよみがえるという。人間も湯につかると良いのだろうか。わたしは、キャベツか。


ポケットの多い鞄

2016-04-04 | 暮らし

ファイルを入れられるカバンを探していて、殿のカバンを見つけた。やたらポケットの多いカバンだ。ポケットが多いと、どこに何を入れたのか分からなくなることがある。財布を探したり、車のキーをどこへ入れたか少し探す間ができる。

殿もそうだったのだ。中間のポケットを開けたら、封切していないタバコと、福島県会津若松の旅行の集合写真があった。旅行会社なのでツアーの参加は半分は仕事でもあった。へえー福島県へ行っていたのか。と、初めて知った。スプリングツアーとサマーツアーは、いつも行っていたので、どこへ行っているかその時は聞いたかもしれないが、自分が行っていないので記憶にはないのだ。タバコの賞味期限をみたら、「H21.4」と、なっていた。

タバコの賞味期限は、10か月ほどとかいうので、平成20年の夏の旅行だろうと推測できた。この年の年末に癌の告知があったので、タバコは止めているから、ついにこのタバコは封を切られずにあったのだ。こんなふうに時々殿が思いがけなく登場する。

このかばんを持って、弓道の女子仲間との会合を「ブドウの木」で行った。山側環状から行って森本ICで降りるとき、ぐるぐる回って一体自分はどっちを向いているのだろうかと思った。

みんなの話が盛り上がると、傍らのカバンはあっけにとられているように見えた。