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【増税デフレからスタグフレーションへ!?】消費税増税デフレを憂える④

2013-09-27 00:01:12 | 日本

(前回からの続き)

 以上、今年4~6月のGDP改定値発表で示された年率換算3.8%もの経済成長の中身の多くは、アベノミクス円安誘導がもたらした輸入品価格の上昇にともなう消費支出とか投資費用の増分に過ぎない、といった見方を綴ってみました。

 この成長は真の意味での成長、つまり消費者とか企業が豊かになった(モノやサービスを新たに買ったりした)ことでもたらされた経済成長ではありません円高時と同じ、あるいは量的・質的にはそれよりも控えめな消費・投資行動をとったににもかかわらず、円安でエネルギー価格等が高くなっただけ支払う金額が円高の頃よりもかさんだ、というだけの話です。

 だからわが国はアベノミクスで豊かになったどころか、マクロベースで見ればむしろ貧しくなったともいえます。このあたりは本稿前段でご紹介した「ドル建てGDPの成長率」に表されています。円建てでは年率4%もの高成長を達成したとしても、世界共通の価値の尺度「ドル」で測定すると、今年のわが国のGDPは対前年で17%も縮小することになります。それだけ日本全体の価値は下がり、わたしたちの購買力も低下してしまっています・・・。

 にもかかわらず、そんな円安誘導が演出した空疎な「成長」を、政府も日銀も、そして多くのメディアまでも一緒になって景気回復のサインと囃します。そのココロは「GDPがこれだけ高い伸びを示しているのだから来春からの消費税率アップは当然でしょ!」といった具合です。このように煽ることで、増税の最終判断を下す重責をになう安倍首相にプレッシャーをかけようという狙いもあるのでしょう。いまとなっては首相が税率8%引き上げ実施以外の道を選択するのは「蛮勇をふるう」以外になさそうな感じがします・・・。

 では、上記のような景況のもとで、つまり「年率GDP3.8%成長」の実質的内容が単なるコスト増分にすぎず、勤労者や年金生活者の現金収入が増えたわけでもなく、一方ではアベノミクスが引き起こしたエネルギー価格の高騰がさまざまなモノやサービスの値段を押し上げているときに、消費税の税率を8%へ引き上げたらどうなるか? おそらく、個人消費は一段と落ち込み、企業の設備投資意欲は減退し、景気は冷え込んで、日本経済はさらなるデフレの深みに沈むのではないでしょうか。

 いや、厳密にはデフレではありませんね。アベノミクスで輸入インフレが起こっているからです。消費も投資もさえないなかで・・・。しかもこの円安インフレは今後も意図的に進められそうです。円安誘導を狙った日銀のリフレ政策が続くためです。ひょっとしたらあと5年近くも、つまり現在の日銀の正副総裁の任期期間中はずっと国民は輸入インフレに苦しめられるかも!? このままだとわが国は景気低迷のなかの物価上昇―――スタグフレーションに見舞われてしまいそう・・・。

 こんなことで本当にいいのか、と思いませんか?

(続く)


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