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【米、利上げ再開よりQE再開?】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明⑥

2015-09-17 00:01:51 | 世界共通

(前回からの続き)

 いまこの瞬間(日本時間17日0:00)、米FRBで行われているFOMC(連邦公開市場委員会:FRBの金融政策決定会合)の決定を世界中の市場関係者がかたずをのんで見守っています。もちろんその決定とは、FRBは「利上げ」を再開するか、それとも見送るのか、ということ。直近のマーケットの予想は拮抗している感じですが、はたして・・・?

 で、わたし個人の見立てですが・・・今回も、利上げは見送り・・・。というのは以前から書いているとおり「QEフォーエバー」―――アメリカにはもはやQE(量的緩和策)つまりFRBによる実質的な「財政ファイナンス」を永続する以外の選択肢なし―――だと考えているから。ということで近い将来、FRBが利上げどころかQE再開に踏み出す可能性のほうがずーっと高いだろう、とすら思っているわけです。

 先述のとおり、そして本ブログで何度か綴っているようにアメリカは、バーナンキ前FRB議長の頃に開始された「麻薬」、もといQEマネーの乱用にあまりにも浸り切ってしまいました。もう麻薬を取り上げること(利上げして市場からマネーを回収すること)なんて・・・その禁断症状(株・債券暴落、金融不安で金利上昇・・・)の激しさを思えばまず不可能・・・。かくして、利上げは逃げ水となる―――FOMCが近づくたびに「利上げが近い」なんて観測が流れるものの、結局は利上げがなされないままの状態が延々と続く―――と予想しています。

 まあ今回を含め、これから数か月以内に行われるどこかのFOMCでFRBが利上げに踏み切ることがあるかもしれません。でもそれは・・・アメリカそしてFRBが、巨大資産バブル巨額債務不良債権がもたらす数え切れないほどのリスクを金融政策(この場合は利上げ)によって制御する能力を失ってはいないよ!ということをほんの一瞬でもマーケットに示そうと精いっぱいの見栄を張るために行うもの(?)。だからその利上げ・・・の幅はちょっぴり(おそらく政策金利0.25%かそれ以下?)だし、その期間はすぐに終わりを告げ、すぐにまた麻薬投与のようなQEがリスタートされることになるでしょう。なぜなら、繰り返しですが利上げのような引き締め策は最終的に(金融システムへの巨大公的資金投入が不可避となる事態を通じて)長期金利急騰というアメリカの覇権そのものを激しく揺るがす事態を招きかねないためです。もっとも利上げしたすぐ後に(再利下げ含む)QEせざるを得なくなったら、FRBに対する信認は失墜し、イエレン議長のメンツは丸つぶれですね・・・「利上げしてみせる!」の見栄の代償は大き過ぎるよ・・・

 報道によれば先日のG20(主要20か国・地域財務相・中銀総裁会議)で日銀の黒田総裁はアメリカの利上げについて「もしアメリカが利上げするとすれば、それは米経済がよりしっかりと成長していくことを物語っており、それ自体は世界経済にプラスだと思う」と述べています。これは、アメリカおよびFRBは、その気になれば利上げができるし、利上げでもアメリカが動揺することはないと日銀総裁として認識してみせることで、アメリカ様が面目を保てるように・・・という気づかいなのではないか。もちろん本心のアメリカ観は違うと思いたいですが・・・(そうでないと---中銀総裁としてアメリカの実態が見えていないと、マズイでしょう・・・)。

 話を戻して、ただいまオンゴーイングのFOMC。上記G20声明では、世界の経済成長は期待される水準に達していない、などと謳われています。よってFRBはこのあたりをリファーして、停滞する中国の景気動向をはじめとする世界経済の先行きを見極めるため、などといった口実で、利上げ先送りを決定か!? 利上げしないのを自国アメリカではなく世界のせいにする---自分たちの上記の不都合な真実には・・・プライドが高過ぎて(?)触れることができませんからね・・・(?)

(続く)

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