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【豪子会社損失4千億円を計上】日本郵政、海外投資で大損害:いつまで続く本邦経営者の「高値掴み」①

2017-04-29 00:02:11 | 日本

 まあ予想された当然の結果とはいえ、この国の経済人はいつになったらこの手の「高値掴み」をしなくなるのだろう・・・?

 日本郵政は25日、オーストラリアの物流子会社「トール・ホールディングス(Toll Holdings)」で発生した損失4000億円(!)を2017年3月期に計上することを決定しました。これにともなう連結損失は400億円と、同社は2007年の郵政民営化以来、初めての赤字決算をすることになりました。

 同社がトールの買収を発表したのは2015年2月のこと(買収完了は同5月)。その買収価格は約6200億円にも上ります(717.44百万株×約9豪ドル×1豪ドル95.4円[2015/5の平均レート]で計算)。これ、次の2点から、すでにその時点で高値掴みであることが明白だったといえるものでした・・・

 まずはトールの株価です。日本郵政の上記発表までの3年以上にわたって同社の株価は5豪ドル前後を推移していました。要するにそのあたりがマーケットが評価した同社の適正価格だったわけです。それが同発表の直後、当然ながら急騰、最後は1株約9豪ドルと、発表前から70%あまりも上昇しました。それだけ日本郵政はトールを高く買ったということになります・・・

 次は豪ドルです。上記のとおり同買収時のレートは1豪ドル95円前後でした。本ブログで何度も書いているように、2012年末から事実上始まった「アベノミクス」すなわち円安誘導にともない、円は外貨に対して(実質実効レートのような客観的なデータから見て)過度に安くなりました(外貨は過度に高くなりました)。それは豪ドルに対しても同様で、2012年12月頃には1豪ドル約85円あたりだったものがその後は円安豪ドル高に転じ、一時は同100円前後に達するなどの動きを経て買収のタイミングではアベノミクス前に比べて10%ほど豪ドル高になっていた、といった具合です。

 以前こちらの記事に書いたように、豪ドルは資源国通貨としての強みがあるように見えて、実際は経常赤字国の通貨であり、その意味では円に対してはどうしても下落する傾向にあるわけです。実際2008年秋のリーマン・ショック直後には同60円くらいまで下がったことがあり、豪ドル本来の実力からすればその程度(よりも下?)が妥当な価格といえるでしょう(?)。ということで上記95円は為替レート的には相当に割高だったと考えられます。

 以上により、日本郵政は二重の意味で―――当時の市場価格および当時の為替レートの2つの点から見て―――豪トールを高値で掴んでしまったと考えるわけです。逆に当時、トールの株式を高値で売ったオージーたちはさぞかし「してやったり!」だったことでしょう・・・

続く

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