(前回からの続き)
ここまで綴ってきたことから、(あくまでも本ブログの見方に基づけば)アメリカにとって世界一大切で、そして世界一の脅威となり得る国こそ・・・日本であることがお分かりいただけるものと思います(けっして中国でもロシアでも英国などでもありません?)。ということでわたしたちは、アメリカに常時、そうした視線で見られていることを意識しなければならないことになります。ここでいちばん厄介?なのは、以下に記すように、同盟国同士にもかかわらず日米両国の国益が以下のように両極端といってもいいくらいに相反してしまうことです・・・
日本の国益は平和にあります。これ当たり前のことであり、かつそのメリットをあげていけばキリがないので、本稿の文脈に沿ったところだけを述べておきましょう。すなわち、世界平和が実現されれば、石油や天然ガスといったエネルギー資源の(ドル建て・円建ての双方の)価格が一気に下がり、「エネルギー」という日本の「弱み」(外国に依存しなければならない国家としての弱点)が解消に向かう、ということです。そして、先記したことから、わが国の経済力は本来の実力のとおりに評価されるようになり、その結果、そのGDPは中国ばかりかアメリカをも抜いて世界最大になるでしょう(?)。
アメリカの国益は戦争や対立にあります。その理由は先述したとおり、それらの脅威で日本を自身に繋ぎ止めることができる―――日本に自身の債務を引き受けさせることで「金利」の上昇を食い止めることができる―――ためです(ってこれ日本にとっては経済的な国益には反しますが、安全保障コストとして受け入れざるを得ない?ことになります)。その限りにおいてアメリカは、債務をどんどん膨らませても平気で巨額の消費生活を享受することができ、その結果、そのGDPは世界最大を維持できます。そして中国をはじめとする各国はこれを相手に商売をしてハッピーなわけです。それは「ドル」という名の米借金の証文に日本がこうして価値を与え続けているからこそ成り立つ構図ということになります・・・
・・・ではいまは?って、ご存知のとおり、以前(≒冷戦時代)と変わらぬ平和からほど遠い?紛争や混乱に満ちた世界のままです(?)。つまりアメリカ(や中国などの諸国)の国益が増進され、そして日本の国益が損なわれる現状にあるということ。こう見てみると、いまのままでは、この星の平和は永遠に達成されないかのように思えてしまいます。それは、自分自身を含めた人類の精神性が未熟なせい・・・というより、繰り返しますが、金利高騰という破局を食い止めるためにこうして戦い続け・・・ているように日本に対して見せつけ続け・・・なくてはならないアメリカ(経済とドル)に(日本以外の?)世界が頼り過ぎていることのせいで、ということです・・・