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【異次元緩和とは「高値掴み」のこと】日銀の債務超過転落は避けるべきだ①

2017-11-15 00:02:22 | 日本

 ・・・表題のおもな理由を先に手短に書くと「わたしたち国民が享受するべきシニョレッジseigniorage:通貨発行益)が日銀損失の穴埋めに充てられてしまうため」―――本稿ではこのあたりについて考えることを綴ります。

 「アベノミクス」の代名詞ともいえる日銀の「異次元緩和」が開始されて4年半が経ちました(現在の正式名称は「長短金利操作付き量的質的金融緩和」となっている)。本ブログでさんざん書いてきたようにこれ、(おもに外国人投資家の円キャリートレードを喚起することで)株価の上昇こそもたらしましたが、いっぽうで超マイナス経済成長経常収支の悪化実質賃金の低下、そして国富(≒金融資産[株や預貯金等]の合計額)の多額喪失などの数々のネガティブな状況を引き起こしているため、国民経済にとってはメリットよりもデメリットがず~っと大きいものと考えています。

 ところでこの金融政策、具体的には、市中の国債をそれ以前よりも高い価格で買い取り、その売り手(民間銀行等)が得たキャッシュを日銀当座預金口座積ませるものです。日銀はこれに飽き足らず(?)、途中で(2016年から)ETF(上場投資信託)とかREIT(不動産投資信託)まで買い出して資金を供給し始めました。こうやってマーケットに大量のマネーを吐き出し続けることでインフレを起こそう!というのが所期の目的だった、のでしょうが・・・

 上記、日銀がやってきたことはシンプルな単語一つで総括できます。ズバリ「高値掴み。つまり日銀は国債も株もそれまでの市場適正価格を上回る値段で・・・マトモな投資家なら高過ぎて手が出せないようなプライスでも気にせずにどんどん買ってきました。これに加えて日銀は「買い」一辺倒のスタンスで、購入したそれらをけっして売却しません、現行の政策を続ける限りは。なぜなら、そうすると市中のマネーが吸収され、目論見とは逆の現象である資産デフレが引き起こされかねないから。そのため日銀は、投資家なら誰もが狙う「利食い売り」をいっさい行わないことになるわけです・・・

 日銀がそのような政策的な高値掴み(および利食い売り封印)を続ければ、当然ながら含み損が累増して自己資本が毀損するリスクが高まります。日銀だって法人(政府の認可法人)です。バランスシートの悪化を意識せずにはいられません。そんななか、同様の金融政策を行ってきたFRBECBがぼちぼち「出口戦略」(緩和策を手仕舞いして金融引き締めに向かうこと)に移行するにおよんで、日銀のそれも取り沙汰されるようになってきました。出口・・・となると保有国債等をマーケットに放出することがイメージされますが、上述のとおりこれらの取得原価は超~高値です。ということはその売値はこれを大きく下回る可能性が高い、ようするに日銀には巨額の売却損が生じることになります。これが自己資本を食いつぶし、ついに日銀は債務超過に転落へ・・・といった非常事態も考えられることに・・・

 ・・・では、こうなったら(なりそうなときは)、政府・日銀はどうしたらよいのでしょうか・・・

続く

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