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【NY連銀オペ、FRBのメンツと市場実態の妥協の産物か】米レポ金利急騰で事実上スタートしたQE4⑥

2019-10-17 00:01:35 | アメリカ

前回からの続き)

 前述した理由から、米レポ市場の動揺を抑える手はFRB米国債買い入れ、すなわちQE量的緩和策)しかなさそうです。そのあたりはFRBも分かってはいるでしょう・・・が、ちょっと困ったことにFRBはメンツ上?いますぐにはQEには踏み込めないはず。モノには順序がある、つまりまずは利下げが先で、QEは利下げが限界(=金利ゼロ)に達した後で、ということです・・・

 現在FRBは利下げを進めているとはいえ、足元の政策金利の誘導レンジは1.75~2%と、ゼロ%との間にはまだまだ開きがあります。でFRBとしては今月(10月31日)以降のFOMC(連邦公開市場委員会:FRBの金融政策決定会合)で、もっとも速い緩和ペースでも、これを毎回0.25%ずつ下げていくという想定をしている・・・し、本心では、できれば利下げをせずにしのぎ切りたい、と思っていると考えます。FRBは本当に危険な事態に備え、いまは「実弾」(利下げ余地&QE)をキープしておきたいだろうからです。しかしこの目論見がドナルド・トランプ政権の予期せぬ?米国債大量発行によって崩れつつあるのは上述のとおり。このためにレポ市場では深刻なマネー不足と金利急騰が起こってしまい、一刻も早くQEを発動しなければならないような局面に・・・?

 だからといってFRBは現状の政策レベルをなし崩し的にQEレベルにまで大幅に緩和することはしたくはないはず。それはこれまでの金融正常化に向けた歩みの頓挫になるから、FRBの威信は崩壊し、その中銀(≒インフレファイター)としての能力に対する重大な疑念を市場に惹起してしまうためです・・・って、すでにみんな疑い出している感じ?(小声)

 そこで考えられたのが、本稿冒頭で記した、ニューヨーク連邦銀行(連銀)による市場操作だった・・・のではないかと推測しています。これ、連銀が翌日物レポ取引を、担保として米国債などを受け入れて、11月4日まで(って再延長必至?)の毎営業日、少なくとも750億ドル規模で行うものです。したがってFRBは表向き、これは国債を買い入れるQEとは違いますよ、ということが可能です。いっぽうでこれ、米国債を介してFRB・・・傘下の連銀がマネーを市場に出すという点では実質的にQE・・・的なオペといえるでしょう(?)。ということでFRBは、上記の利下げ→QEに至る時間をできる限り確保しつつ?その間に、市場原理に委ねていては不可避のレポ市場の動揺を鎮めるため、連銀に上記のマネー供給策をやらせることにした、という次第なのではないか・・・?

 以上のような意味で、本稿のタイトルのとおり、アメリカのQEは、レポ市場の動揺を機に、すでに再開された、と考えるものです。FRBの算段は、上記想定に基づくと、来年の夏あたり?には政策金利をゼロに、そして市場が待望するQEに突入、というものだったでしょう(って、もっと早い時期にQE再開に追い込まれる可能性も大かと?)。まあこれくらい時間をかけて利下げをすればFRBには市場をコントロールする力があるように見せられる、ということで。ですが、レポ市場はそこまでこらえきれず、金利が上がってしまう!・・・からFRBは、これを抑えるべく連銀に上記QE的オペを先行実施させ、そして11月以降もきっと継続させる(?)、真のQEが発動されるまでの、いわば「つなぎ」の策として・・・?

 ・・・こう考えると、この連銀オペって、FRBのメンツとQ超低金利マネー)を欲する市場実態の妥協の産物に思えてきますね・・・?

(続く)

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