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【日は黒字、中韓は赤字:所得収支が示す投資の巧拙】アメリカ様の一方的な評価に見える鋭い分析④

2018-04-21 00:03:35 | 日本

前回からの続き)

 ところで、米財務省の為替等報告書は日本の経常黒字について、その80%以上が所得収支income balance)の黒字によるものと指摘しています。そのとおりで、近年の日本の国際収支が黒字をキープできているのは、巨額の所得収支黒字によるところが大きくなっています。

 実際、同報告書内のイメージは2007年から2017年の11年間のすべてでわが国の当該黒字額がGDPの3%前後に達していることを伝えています。いっぽうの貿易収支は、東日本大震災のあった2011年以降、化石燃料の輸入「量」とアベノミクス円安にともなう円建て輸入「額」の双方の急増により赤字に転落、2014の同赤字はGDP2%あたりにまで膨らみました逆オイルショックの好影響などで2016年以降はプラス傾向ですが、昨年の黒字額が経常黒字に占める割合は2割弱と、メインは上記指摘のとおり所得収支黒字となっています。

 所得収支とは、国外から得られる利子や配当金から国外に支払われる利子や配当金を差し引いたときの収支のこと。これが黒字ということは、わが国の企業等がこれまでに外国に作った工場等がしっかり稼いでコスト以上の利益を生んでいる証ですね。まあたしかに・・・東芝のウェスティングハウスとか、ゆうちょ銀行のトール(豪物流会社)といったM&Aの大失敗例もなかにはありますが、このようにトータルでは本邦企業は着実に投資成果を上げてくれているわけです。

 前述したように現在は「円が20年平均値よりも25%近く低い」アベノミクス環境にあるので、海外投資は逆に同率ほども割高になります。したがって各企業はいま、高値掴みを避けるためヘタに外国におカネは出さず、むしろ、むしろ採算の良くない案件はさっさと売り払って円でホールドし、次の機会までじっと待つのが得策といえますね。こちらの記事に書いたように、各社が史上空前のキャッシュリッチ状態になっているのをみると、そのあたりがちゃんとわかっているようで頼もしく感じます。これを投資等に向かわせるにはどうしたらよいか、なんて議論がありますが、答えは自明ですよ~(?)

 さてこの所得収支、本報告書によると、同じアジアの中国韓国では逆に経常収支の足を引っ張っていることが分かります。両国ともに貿易黒字こそGDPに対する割合が日本よりも高いものの、ここ数年、所得収支は赤字続きになっています。ということは・・・中韓企業等は対外投資が必ずしも上手とはいえないのでしょう。今後は・・・とりわけ中国は、さかんに欧米企業を買収しようとしたり、一帯一路にある国々にインフラを建設したりしているように、ますます対外投資を進める気でしょうが・・・こちらの記事に書いたような、共産党政府らしく(?)明らかに稼ぎを生まないプロジェクト等に大金をはたいたりするので、個人的には日本のようにはなれそうもないかな、と予想しています。

(続く)

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