世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【中国、米の鉄鋼関税に報復関税賦課で対抗へ】中国:過剰投資・過剰生産で陥る苦境①

2018-04-03 00:04:34 | アジア

 かの国の苦境がこんなところにも表れている・・・ということなのでしょう・・・

 前稿で綴った、アメリカによる輸入鉄鋼等に対する高率の関税賦課ですが、その最大のターゲットが中国であることは間違いないでしょう。同国は最大かつ断トツの対米貿易黒字の計上国であるわけです(2016年は3470億ドルと、2位日本[689億ドル]5倍)。であれば、アメリカ第一主義を標榜するドナルド・トランプ政権がこれを問題視し、無茶であっても実質的に中国を狙い撃ちにしたような手に打って出るのも、まあ分からなくもない気がします。

 いっぽうの中国にとってはこれ、じつに理不尽な扱いに思えるところでしょう。露骨に保護主義的で世界貿易機関のルールに反している疑いがあるうえ、同じ鉄鋼でも中国製などに限定して関税を課そうというのですからね。そのためなのか2日、同国財務省は、果物や豚肉といったアメリカからの輸入品128項目に関税をかける報復的措置(?)を発動しました。アメリカの上記政策で被る損失を埋め合わせるため、とのことだそうです・・・

 このように、両国間の貿易摩擦は激しさを増し、互いに強硬策を繰り出すという、まさに米中貿易戦争の様相を呈してきました。アメリカとしては相手のこの程度の(?)パンチで引くわけにはいかないでしょうし、中国だって同じでしょう。よって、この先の展開がなかなか読めず、その行方次第では、わが国の国益にも何らかの影響が及びかねない気配ですが・・・

 さて今回、アメリカが「やり玉」に上げたかたちとなった中国・・・の鉄鋼ですが、これ現在の中国経済が抱える深刻な問題を象徴しているといえます。すなわち、過剰投資・過剰生産です・・・

 中国の2017年の鉄鋼生産量は過去最高の約8.3億トンと、全世界合計量のほぼ半分に達しました(49.7%)。2位が日本の1億トン余り(6.2%)に過ぎませんので、この値がいかに突出したものかが分かります。輸出量のほうは7543万トンと、ピーク時(201511240万トン)からは3割以上も減りましたが、逆に残りの7億数千万トンもの鋼材を中国はいま、国内で消費している勘定になります。つまり現在、世界中で作られる鉄鋼の45%ほどを何と!ひとつの国だけで使っていることになります。たしかに同国は国づくりを急ピッチで進めていることになっているわけです・・・が、そのへんを差し引いてもこれ過剰な数字といえるでしょう。中国のGDPはアメリカに次いで2番目の大きさですが、世界GDPに占める割合は15%くらい(2016年)ですからね・・・(データ:鉄鋼統計要覧)

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする