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【EU残留派、Brexitでポンドは20%下落と警告】Brexit是非の議論から日本が学ぶべきこと①

2016-05-21 00:00:28 | 日本

 英国EU(欧州連合)に残留すべきか、それとも離脱(=BrexitBritainExitの造語)するべきかを問う英国民による国民投票の日(623日)が近づいてきました。現時点の各種世論調査を総合的に読むと・・・Brexit派が追い上げてはいるものの、EU残留派のほうが依然として優勢、しかしながら両者の差は数%程度とわずか(?)であり、予断を許さない、といったあたりでしょうか。

 以前、こちらの記事に書いたように個人的には、Brexitする・しないによらず、英国の行く末は明るくはない、と予想しています。そのいっぽう、Brexitに関するさまざまな議論には何かと興味深い面も多いので、その成り行きには関心を持っているところです。で、そんな議論のなかでいまの日本がもっとも注目すべきだと考えるのがコレ―――Brexitによって高い確率で起こるであろう通貨ポンドの下落が英国の今後にとってネガティブとの見方が支配的だということ。

 今年2月、米銀シティグループのエコノミストは、英国がEUから離脱すれば、同国のGDPは2019年までに最大4%押し下げられるとともに、ポンドは最大20%切り下がり、これによって輸入物価が上がってインフレ率が今後数年で3~4%上昇するとの見通しを公表しました。OECD(経済協力開発機構)も先月、Brexitによって同GDPは2020年までに3%程度、やはり押し下げられる可能性を指摘しています。

 これらの結果、英国民のフトコロ具合はどうやら悪化してしまう模様です。LSE(London School of Economics)のレポートによると、Brexitで英国家計1軒当たりの年間所得は8501700ポンドほど減る見込みで、もっとも悲観的なシナリオに基づくとその減少額は6400ポンド(約100万円!)に達するだろう、とのことだそうです・・・

 ・・・さて、そんなジリ貧状態をもたらしかねないBrexitの是非はともかく、ポンドが20%程度も下落、GDPは数%程度押し下げられる、そして家計収入は最悪数千ポンドも減少・・・これらは英国そして同国民にとって望ましいこと、それともその逆、のいずれなのでしょうか?・・・って、常識的には当然、後者つまりネガティブで忌避すべき事態のはずです。収入がガクッと減って喜ぶ人なんて、フツーはいないでしょうからね・・・

 ん? 自国通貨は外貨に対して大幅に減価、GDPはマイナス成長、そして実質賃金は激減・・・英国民が懸念、というか世界の誰もが頭を抱えたくなるようなこうした状況を、こともあろうに意図的に作り出して得意満面(?)になっている稀有な政策があるぞ!・・・って、それこそわが国の「アベノミクスです。

続く

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