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【英国は通貨安を招く選択をすべきではない?】Brexit是非の議論から日本が学ぶべきこと②

2016-05-23 00:01:47 | 日本

前回からの続き)

 自国通貨の大幅下落で経済成長率は押し下げられ、輸入インフレが起こって、実質所得も大きく減少へ・・・。これらは、英国の一大イベント(?)であるEU離脱(Brexit)の是非を問う国民投票日(623日)が迫るなか、EU残留を主張する勢力が英国がBrexitに踏み切った場合の「リスク」として挙げる状況です。「そんなことになったらイヤだろ?だから英国はBrexitしないでEUに留まるべきだ」というのが彼らの訴え。たしかにこれには説得力がありますね。わたしが英国人なら、「そうだね、物価高になるうえに収入が減るのはかなわないもんね、んじゃEU残留に一票!」ですが・・・

 ところが、これらを「リスク」ではなく恩恵とか成果みたいな歓迎すべき事象と捉える政策が前述のとおり、日本の「アベノミクス」(ようするに日銀異次元緩和」による事実上の通貨安誘導政策)です。これってまさに異次元緩和、じゃなかった異次元感覚。なぜって、アベノミクスによって日本は実際に「自国通貨の大幅下落で経済成長率は押し下げられ、輸入インフレが起こって、実質所得も大きく減少へ」と英国人が嫌悪する事態になったというのに、アベノミクス推進者(安倍政権・黒田日銀・経済学会・メディア等のみなさん)はドヤ顔なわけですからね・・・

 ということは、わたしたち日本国民も一緒にドヤ顔?・・・って、まったく逆でしょう。最近ではこちらの記事に綴ったように、アベノミクスは富裕層とそうでない層の格差を意識して(?)広げてきたわけですが、この国では大多数が後者、つまり日々の暮らし向きがアベノミクスでかえって悪くなった人々のはず。でなければわが国のGDPも賃金もこんなに落ち込むはずはない。こうして英国人の上記懸念はまさに日本において実現し、それゆえにわたしたちの日常生活は悪化の一途をたどることに・・・

 したがって英国民には、Brexitなんて選択、すなわち通貨安を招くような選択はしないほうが身のためだよ、と警告したいですね、実際にこれに苦しめられる日本人のひとりとして。そして日本はBrexitを巡る英国の議論から気づくべき―――通貨安政策が自らを窮乏化させるだけの自殺行為に等しいことに・・・

続く

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