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【債務減免要求でドル&米国債は暴落へ】ドル暴落!?にいまから備えよ②

2016-05-11 00:04:55 | アメリカ

前回からの続き)

 前回ご紹介のとおり、アメリカの次期大統領になるかもしれない(?)共和党のドナルド・トランプ氏はこのほど、総額19兆ドルにのぼる米連邦債務の債権者(creditor)に対して債務減免を迫る(!)という大胆な考えを示しました。

 で、現時点でその枠組みや進め方のイメージははっきりしないものの、同氏の理念「America First」(アメリカ第一)からするとこれをすべての米国債ホルダーに対して公平に適用することはなく、おそらく特定の債権者に対して高い減免率を押し付けてきそう・・・(?)。具体的にはアメリカ人以外の投資家、つまり中国日本などの(アメリカから見た)外国の債権者にだけ借金の棒引きを一方的に求めるのではないか・・・。まあ、さまざまな宗教の信者のうちイスラム教徒に限ってアメリカ入国を禁止するという提案と似たような発想かな?・・・

 ・・・これまた前回書いたように、アメリカは国家債務の約1/3、総額6兆ドルあまりもの巨額マネーを外国から借り入れています。米国民にすればこれらはよその国からの借金だから、トランプ氏などが上手く交渉をしてその返済額が減ることは大歓迎でしょう。

 いっぽう、当然これはアメリカにおカネを貸した側にとっては一大事。それがリターンを生まないばかりか投資元金のカットを強要されてしまいそうだからです。となれば米国外の債権者は、トランプ氏が次期大統領に本当になりそうになったら、我先に虎の子のマネーを回収しようと、所有する米国債を一斉に売り払おうとするに違いありません。その結果マーケットで何が起こるのかといえば、当たり前ですが(外貨、とりわけそしてに対する)ドル、および米国債の暴落、そして・・・長期金利の急上昇です。これらこそ、世界一の借金大国アメリカが中国の軍事力なんぞよりもずーっと恐怖する真の国家的リスクです・・・

 上述のトランプ発言のすぐあと、トランプ陣営の財務担当者が「米連邦政府は債務を支払わなければならない」と述べてこの過激な考えの打ち消そうとしたのは、このように見て来れば必然のリアクションでしょう。こんなことをトランプ氏に言わせたりやらせたりしたら、アメリカ・・・そしてその覇権を支えるドルの信認はたちまち崩壊してしまいますからね。というかそれ以前に、トランプ氏は大統領の座に就くことはないでしょう。なぜなら、おそらくその支持率が高まる過程でじりじりと米長期金利が上がり出し、アメリカ人の多くは同氏を大統領にしたらマズい!ということに気づくでしょうから・・・?

 ということで、次期大統領に誰がなろうが、アメリカによる債権者(おそらくアメリカ以外の投資家)に対する借金棒引きが実行される可能性は現時点では小さい(?)とは予想されます。ただし、トランプ氏にこんな非常識な考えを語らせるほどに米連邦債務が持続不可能であるという冷厳な現実はどうにも変えられません・・・

続く

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コメント (2)
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