Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

争議権の正当な行使とは言えない

2018-04-17 22:29:00 | 交通
岡山の新規参入バスを巡る混戦は、両備と系列の岡電労組が、八晃の参入を理由にしたストを通告しました。
経営側が国に認可取り消しを訴えるべし、という理解不能、意味不明なストですが、労使一体の取り組みとかおよそ頓珍漢の極みとしか言いようがない「評価」が聞こえてきたり、両備「さん」頑張れとストで不便を被るはずなのに諸手を挙げる「利用者」や、果ては八晃を貶すあまり「在日認定」までしてしまうようなトンデモまで、まあよくぞ揃ったものです。

まあ一言で片づけましょう。違法ストですよ、これ。
ストライキ、つまり労働三権のうち争議権の行使ですが、団結して、団体交渉して、埒が明かなければ争議に至る。その権利は労働側が経営側と対等に渡り合えるように保証されたものであり、今回のように、名目上の労使問題を理由に挙げていますが、実際には労使間に交渉すら発生していない実態において、争議権を行使するのは正当な理由がありません。

三菱長崎事件で、政治ストは正当な争議権の行使とは言えず、経営側がストを理由にした懲戒処分をしたことを合法とした最高裁判決が出ていますが、今回のストも両備の労使交渉ではなく、国交省による認可行政を不満としたストであり、「安倍やめろ」とストをするのと何も変わりません。

もし、利用者がストにより損害を被ったと訴訟を起こせば、正当な争議権の行使とは言えず、三菱長崎事件で経営側による懲戒処分が容認されたように、ストによる被害に対する責任を組合は負うしかなくなります。(違法性が阻却できません)
あるいは経営側と共謀して不当な政治ストを行い利用者に損害を与えたとして、本邦初の労使共同不法行為、となりかねませんが、経営側は争議権の行使といえない政治ストの宣言に、自社と自社利用者への損害波及を防ぐべく「警告」をすることなく、事実上容認しており、まさに共同責任となります。

違法でも何でもないツアーバスを自社サイトの「代表メッセージ」で「違法」と断定して(後からこそこそ修正(削除)しましたが)、自社都合の案件には違法呼ばわりなのに、自社は違法ストの疑いがあるストを容認とは恐れ入ります。




司法の結論ありきが招く事態

2018-04-17 22:23:00 | ノンジャンル
訳あってしばらくウィークリーマンションとワンルームの中間的な施設にいるのですが、さっそくNHKがやってきました。
昨年受信料を巡る裁判で立て続けにNHK勝訴の判決が出たこともあって、その記事をコピーしたパンフレットまで作成して徴収にかかってくるあたりが嫌らしいですが、裁判所の有権判断が出てしまっているのでは悪法も法であり、仕方がありません。

下手に衛星受信可能なTVを設置しているために衛星契約を強いられる(集金人も中に何があるのを知っている)のも癪ですが、今何を放映していますか、と聞いてきて、スメ[ツ中継が映っているというとそれが受信の確認のようでしたが、落語が映ってますね、とかすっとぼけたらどうなったんでしょうね。

こうなったのも裁判所がNHKの勝訴ありきで整合性のかけらもない判決を出したからで、家具付きマンション(アパート)とホテルで、被告敗訴、NHK勝訴に持ってくために正反対の理由を述べているのですから恐れ入ります。

短期であっても契約者である住民から徴収できるマンションは本来受信機の設置者と定義されているはずなのに利用者から徴収できる、として、大家に一義的に請求することをしなかったのに、ホテルのほうは宿泊客ではなく設置者であるホテルが払う、としているわけです。

ホテルの場合は部屋の稼働は関係ない、設置台数で月極、というのに、マンションは入居者からの徴収、ということは受信機のある空き部屋の受信料は徴収していないわけで、オーナーが受信機を設置しているのに変わりがないはずなのに、徴収先が異なり、空室の扱いも異なる、と矛盾だらけで、これが法律の運用に対する司法の判断とは悪い冗談です。

まあ、受信料をとるだけの価値ある番組を提供するのであればまだしも、一番見ている朝のニュース、ヘッドラインよりアナの顔を大写し、という「画」は春の改編でなくなりましたが、正時のスタート時点で複数のアナのおしゃべりに時間をとり、ニュースが始まるのは30秒ほど後。おふざけが多いようなイメージの民放のほうがよほどその時間にニュースを流しており、民放でヘッドラインを確認してNHKに切り替えてもなおおしゃべり中ですから、これで受信料をとる価値があるとは到底言えません。



モラルハザードを追認する経済減便

2018-04-17 22:10:00 | 交通
国交省は航空会社の定期便で、予約数が少ないことを理由にした「経済減便」を容認、制度化することを固めたそうです。

もともと「経済欠航」の言葉があるように、適当な理由をつけてその実は欠航した方がコストが安い、という本音で欠航しているのでは、という疑念が払拭できない業界ですが、より厳格に「経済欠航」を許さないように統制を強化するのではなく、公然と容認する方向にかじを切ったのだから恐れ入ります。

「路線」「定期」の一丁目一番地は、決められた時間に運航(運行)するということです。
「新高速バス」のスキームができたとき、ツアーバス批判の一つにそこが疎か、蔑ろになっている、というものがありましたし、これは「新高速バス」ではない新規参入業者ですが、慢性的な空席続きに運休を決定した際に、運休期間に先立ち「経済欠航」を強く疑う運休が発生したケースもありました。

ただ、その大前提にしても、ツアーバス批判では声高に叫ばれた反面、「経済欠航」の際にはネットでの受けが宜しかった事業者ということもあってか批判は及び腰でしたし、今回の「経済減便」に至っては頼みもしないのに事業者の経営状態を慮って理解を示す声が早くも出ているあたり、極めてご都合主義です。


今回の制度化ではいろいろな制約や救済策があるから大丈夫、という仕立てで、専門誌も理解を示していますが、利用者の視点に立てば話にならないわけです。
7日前までの通知にしても、じゃあほかの交通機関、特に航空の場合、7日前の段階で予約をしようとしても、本来予約していたタイミングでの料金とかけ離れた高値しか残っていないわけです。あるいは元々高い料金を前提にしていたとしても、予約を待っていたら7日前にあるはずだった便が消えてしまった。こうした不利益への対応はどうなのか。

前後3時間に自社代替便があることが前提、ということにしても、3時間もずれたら旅程は大きく狂います。午後移動のつもりが午前移動になりスケジュールをキャンセルする、あるいは午前移動が午後移動になってしまいスケジュールが合わなくなり移動の目的そのものが成立しなくなる、目的地に辿り着けなくなる、ということも容易に発生します。

「経済減便」は発生例が公示されるので、リスクを測ることができる、と専門誌あたりは言っていますが、冗談にも程があるわけで、そんな不安定な交通機関が「公共交通」とは片腹痛いです。

では、今回の制度化で導入するのはどこか。
「3時間ルール」があるので1社でそれなりに頻発している路線でしか成立しません。LCCが使うという観測が広がっていますが、成田$V千歳、成田&汢ェくらいしか充足する路線はないですし、レガシー2社とSKYによる幹線区間でしょうか、導入が可能なのは。
しかも片道が空席でも折り返しが満席なら飛ばさないといけませんし、機材繰りの柔軟性という意味でも大手が実は使う可能性のほうが高いです。あるいは「別働隊」がコードシェア便を代替便と定義できれば、レガシーと「別働隊」ともに利用可能でしょう。

利用者にとって全くメリットがない「経済減便」ですが、それでも導入したいのであれば、7日前までの通知だけでなく、代替便への振替の実施まで義務付けるべきです。振替先が早朝、深夜になる場合は宿泊費の提供などの「割増」の実施も必要です。イメージとしてはオーバーブッキング時の対応に準じる感じです。
未予約者の選択肢消失への対応としては、代替便への自社基準での「振替」。3時間以内という寝言ではなく、他社便を含めてできるだけ近接時間帯での振替を促し、時間が離れるにつれて「見舞金」を増やす、といった対応が必要です。

そもそも「路線」「定期」である大前提を自社の懐具合で破ろうとするモラルハザードであり、利用者に十二分に手を尽くしたうえでまだメリットがあるのであれば容認する、という厳格な対応が必要です。