木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

お金を天下の廻りものに。

2011年11月06日 | Weblog

ギリシャ財政危機。
ギリシャは破たん国家になるのか、注目されたが、ギリギリのところでそれは回避されるようだ。
そもそも危機にいたる原因についてはいろいろ言われているが、それをどうこういうほどの材料は持っていない。
ただギリシャというとギリシャ文明の地であり、ケネディー米大統領の未亡人と再婚した船舶王オナシス氏あたりが思い浮かぶ。
そのギリシャ・アテネの港からエーゲ海の島々をめぐるクルーズ船に乗るツアーに参加したことがある(80年代初頭)。
ギリシャには産業らしい産業がなく観光が唯一の産業という言い方がされているが、やはりギリシャは日本人観光客にとって大変魅力的な地で、パルテノン神殿など日本人観光客があちこちに見られ、別々のツアーに参加しながらそこで偶然に会ってあいさつを交わしている知り合い同士もいるほどだった。
ギリシャがEUに加盟するにあたり、その条件を満たすためにかさ上げした財務表を作る指南をしたのはアメリカの会計会社だったそうで、またドイツやフランスは域内になったギリシャへの輸出で多いに利益をあげ、自国の経済がそれでうるおった面もあるということで、「放漫財政のギリシャを何で助けなくちゃいけないんだ」という非難は必ずしも正当な言い分とはいえないという。
ギリシャの徴税はかなりゆるやかなもので、金持ちが相応の税金を払っていないという問題もあって、ギリシャの庶民階級はそれに対しても怒っているということだ。
そして次に財政破たんが心配されるのはイタリア、そしてスペインだとのこと。
私はイタリアのローマ、スペイン各都市にも旅したことがあるが、ギリシャとともに、自分にとってはとても波長のあう国に思えた。
過去の文明の遺跡が街の中に調和して残っていて、あくせくしてない。
今回の次々に起こるEU域内の「財政危機」は、いわばアメリカとヨーロッパのせめぎあいという部分があるということで、EUを破たんさせたいアメリカと、連携してヨーロッパの利益を守りたいEU諸国という構図。
ギリシャ、イタリア共に「年金大国」。つまり高齢者優遇。それに比して意外にも北欧諸国は現役世代に配慮。そのかわり医療・介護を充実させ、高齢者も安心して生活できるような社会政策を採っている。
日本でもこのままでは少子高齢化の現実の前で、「年金財政」が破たんするというので、給付の切り下げと支給開始年令の先延ばしが言われている。
ただ私が素朴に思うのは、年金を支給されいる世代も受け取った年金をただただ溜め込んでいるわけではなく、それは日常の衣食や医療費や介護などに使っているわけで、お金は世の中に廻っている。経済活動はお金が世の中全体に廻って現実の需要に使われることが大切なのではないだろうか。
大企業が労働者から絞り上げた利益を溜め込み、それをマネーゲーム、投機(投資ではなく)に回して「ただ儲け」するのとはわけが違うと思うのだけど。

コメント
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