木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

民意をより汲み取れる選挙制度は?

2010年05月16日 | Weblog
小選挙区制度による2大政党制の崩壊。
日本がお手本にしたイギリスの小選挙区による2大政党制が見直しを迫られている。
第一党に返り咲いたものの、保守党は単独で政権運営ができる過半数を獲得することができなかったのだ。
中道左派とされる自由民主党と連立を組むことになった。
富裕層の利益を代弁する保守党と、労働党以上に低所得層や移民に配慮する政策の自由民主党が連立を組んでうまくいくのかという疑問があるが、自民党は小選挙区制の見直しを連立の条件に挙げている。
自民党というと、日本では戦後ほぼ一貫して政権をになってきた日本の自民党がまず思い浮かんでしまうのだが、テレビなどのメディアは意識的にこのイギリスの自民党が日本の自民党とは立場の違う政党であることに触れず、視聴者に混同させるようにしているように見えた。
先進国では小選挙区制で、2大政党制を追求している国は少数派で、むしろ比例代表制の多党傾向で、1党で過半数を制することはまずなく連立を組む。
2大政党では多様な民意を汲み取ることはできない。
日本は1周遅れ、2周遅れの制度の中で、政治が迷走している。
ところで連立を組むことになった保守党のキャメロン党首と自民党のグレック党首は、一卵性双生児のように年令も見た目も似ている。
共に名門大学出身のエリートという点でも共通している。
小選挙区制度が揺らいでいるイギリスだが、日本の小選挙区とは違って、世襲や有名人が幅を利かせるというものではないようだ。
新人はまず当選がむつかしいような選挙区を割り当てられ、落選を繰り返し、その中できたえられ、政策の勉強をし、しだいに有力選挙区を割り当てられ当選するという仕組みになっている。
小泉進次郎君のように、いきなり親の威光で当選し、そのイケメンぶりに焦点をあててもらって、政治家を演じるというようなことはないという。
また日本では、議員定数の削減を言うと、拍手を受ける傾向にあるが、今の選挙制度のまま、定数を削減すると、それこそ民意を汲み取らない議員ばかりが当選する悲惨が待っている気がする。
また国政における1票の格差をめぐって、訴訟が起こされ、都市と地方の票の重味の違いは是正されねばならないという判決が出て、それはその通りなのであろうが、しかし、では人口に合わせてもっと厳密に選挙区割りをしたら、都市部を代表する議員ばかりになってしまうわけで、多様な民意を反映するという点で問題が生じるだろうし、これも選挙制度と合わせて考えていかなければならないことだと思う。
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