木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

癇癪を起す相手を間違えていた阿川弘之

2019年12月24日 | Weblog

今日はクリスマスイブだ。
イエスが生まれる前夜と伝えられているキリスト教徒にとっては重要な日だが、今や世界中でこの日は「お祭り日」ととらえられている。特に日本では。キリスト教徒でもないのにと、以前は思っていたが、サンタにプレゼントにツリー、そして「マッチ売りの少女」など童話の世界でも「クリスマス」は子供達の夢をかきたてる。
仏教やイスラム教にこれに匹敵する行事はあるかといえば?である。キリスト教が積極的に各地に布教した成果だ。ただし侵略を伴った布教ではあったが。

今だったらDV?阿川家のファミリーヒストリー。
NHKの「ファミリーヒストリー」という番組を見た。エッセイストにタレントにと活躍する阿川佐和子の家族史だ。
佐和子の父作家だった阿川弘之は身体的暴力は振るわなかったようだが、とにかく「癇癪もち」で近所でも評判だったらしい。
大正生まれの阿川は海軍士官になったが、敗戦後人々がコロリと変わって民主主義だといってそれまでの価値観を簡単に捨ててしまったのがなんとも我慢できず、それで癇癪を起していたようなのだ。うっぷんを身近な人にぶつけていたが、本当は一番彼が怒りをぶつけなければいけない相手は昭和天皇であり、軍部の上層部であるはずなのにそうはいけないところに阿川氏の矛盾があったと私には思えた。
私の大学時代の教授だった岩井忠熊氏は戦前、天皇制軍国主義にそれほど染まっていたわけではないが、学徒兵として「海の特攻隊員」になった。そして戦後共産党員になった。そういう生き方も選ぼうと思えばあったわけだけど・・・。
阿川氏は文化勲章を受けた。私は阿川氏の作品は確か特攻隊員を描いた「雲の墓標」を読んだが大分前なので内容はすっかり忘れている。その後の作品は読んでいないが「文化勲章」を受けるほどの作家なのかとは思う。
最も国に褒めてもらうことを有難がるようでは作家としてどうなのかと思う。大江健三郎氏や辻井喬氏は文化勲章を断っているのだからこちらの態度の方が作家としての王道だろうと私は思う。

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