木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

一気に戦争支持に向かう危うさ

2015年10月20日 | Weblog

中国憎悪に傾斜していく恐ろしさ
共産党が「安全保障関連法廃止」を目的とした連立政権樹立を他野党に呼びかけているが、その中で「日米安保廃棄の大方針は変更しないが、政府には求めない」とし、「日米安保は現行の条約の枠内で対応する。有事の際には在日米軍に出動を要請することもある。自衛隊については急迫不正の侵害が起これば活用するのは当然だ」と、志位委員長が外国特派員協会での記者会見で述べたと新聞(信濃毎日新聞)にあり、「本当にそれでよいのか」と不安を覚えた。
志位氏の言っている有事とは?また急迫不正の侵害とは?これは中国を念頭に置いているのではと思うのだ。
中国と軍事衝突が起これば共産党もまた「中国と戦うべし」という立場になるのでは?
以前、棚上げ状態になっていたはずの尖閣諸島帰属問題が、石原慎太郎らの挑発により当時の民主党野田佳彦首相が「国有化宣言」をする騒動の際、共産党は「尖閣はわが国固有の領土」といささかのためらいもない立場だったが、私は果たしてそんなに疑いもなく「日本の固有の領土などとは言えない地理上の位置にあり、その島は海で生きる周辺の国々の漁民にとって共有されてきた島ではないか」と、この時の共産党の立場には違和感を持った。
一気に流れが変わる恐れ
ジャーナリストの青木理氏は国民を戦争状態に引きずり込む「安保法制」を強引に拙速に進めたにも関わらず安倍政権の支持率は下がることなく40パーセント前後を保っている状態に対して、もし集団的自衛権行使により自衛隊員が海外で戦死したら、あるいは日本国内で大規模なテロが起きたらどうなるか。世論は一気に「防衛秘密や治安を守る法制を強化せよ」との論調に流れる恐れがあると警告している。(信濃毎日新聞)
自衛隊員の戦死やテロが「安保法制によって引き起こされたのではないか」と指摘すれば「自衛隊員の死をおとしめるな」、「テロに屈するのか」という壮絶な非難にさらされるだろう。そして成立した特定秘密保護法に続いて盗聴法や共謀罪などの治安立法を世論が先導する。安保法制によって高まるリスクが国民の自由を奪いかねない法律を強化してしまう危険があると。
私はそういう事態が起きたら国民にこの法制に対する反対と安倍政治に対する抗議が一気に高まるのではと考えていたが、むしろ逆のことが起きる可能性の方が高いのだ。
戦前がそうだったし、アメリカの9・11テロの場合もそうだった。正しい情報とジャーナリズムが機能していない社会では人々は感情に任せた行動に出る。
靖国神社は自衛隊員の戦死を想定内として、その死を賛美する場として、政治家が自分は死なずに身代わりになった隊員に形式的に哀悼の意を表する装置としてこれからますます栄えることになる。
自衛隊員の服務規程
自衛隊法52条は「職務の遂行にあたり、ことに臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め」とあり、自衛官は自衛隊法40条で退職の自由を制限され自己都合でやめることができない。その理由は「部隊を構成する自衛官は自己の生命を奪われることを予期しなければならず、その際自己の生命を守る理由により任意退職を認めれば部隊は崩壊するので特別の事由がある場合を除いて退職を承認しないこととした」(市民の意見・2015年8月号・有馬保彦氏の文章より)
元自衛官という立場の人が時々いるが、そのような厳しい服務規程があることは認識していなかった。
自衛隊員に日本国憲法が保障する人権は適用されないようだ。

コメント
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