庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本の恵まれた資源でバイオ燃料製造の技術を確立せよ。

2015-09-24 | バイオ燃料・バイオマス

日本の「脱化石燃料」の長期目標は、どこからも提示されないで、その場しのぎ的に「バイオ燃料の研究助成金」は、官庁のポーズにしかなっていない。

1998年の京都議定書の締結を機会にして、日本のエネルギーを脱化石の方向に転じる必要があった。

しかし、2002年に策定した「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、未利用のバイオマスへの取り組みを打ち出しただけで、将来像は全く描けなかった。

その後も、電力分野の取組では、原発依存を強めるだけで、「再生可能電力」への長期戦略は、完全の視野から外されてしまっていた。

 

2011年3月以降は、電力エネルギーの【脱原子力】の国民の声が大きくなり、「再生可能電力」への最大限の取組が国策となって拡大がはじまっている。

その一方で、電力以外の燃料分野は、議論もアイマイなままで進展は皆無だ。

このブログでは、脱石油の長期目標には、「バイオ燃料の開発促進」が、最大の長期エネルギー戦略の中核になる必要があると、説明してきた。

その主力の技術手段は、すでに説明したので、理解されたでしょうが、『従属栄養型藻類』の研究開発による「石油相当の燃料開発」にある。

 

この「光合成に依存しないで増殖する藻類」の研究情報は、日本のメディアでも殆ど話題に上がらないので、日本の人たちは、認識が薄い存在である。

バイオマス(生物資源)の中には、植物の基本である「光合成による炭水化物合成」が、成長のベースになる種類が大半である。

主食のイネやムギなど、それに根菜類や野菜類など、人のエネルギー源である。

植物でも「きのこ類」の様に、他の植物の栄養素を吸収して成長し、有益な栄養素を合成する種類が知られていて、数多くの商品が出回っている。

この「キノコの様な価値」が、『従属栄養型藻類』によって、生み出されるのだ。

 

キノコの栽培では、養分の元になる材料が必要で、樹木を使った栽培が良く知られていて、日本の林業分野の事業に貢献している。

藻類では、「オーランチオキトリウム類」が、各種の有機物を養分にとりこんで増殖して、体内に石油相当のオイル類を生成することが知られている。

現在は、都市下水の中に廃棄される有機物が大量に含まれるので、それをとりだしてエサ(養分)として供給することで、増殖させる技術が開発された。

将来的には、日本の近海で大量に栽培することができる「海藻類からの栄養素」によって、『従属栄養型藻類』の大量製造を確立することが有利である。(続)