庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

鳴り物入りの委員会はオリンピックのお祭りの無責任。

2015-09-09 | バイオ燃料・バイオマス

2015年7月7日に第一回会合を開いた『バイオジェット燃料』の【導入までに道筋検討委員会】は、毎年度2回ずつ進捗確認をする、としている。

全体会合のほかに、「燃料製造WG(ワーキンググループ)」での活動をする。

この事務局には、[NEDO]が務めることになって、バイオジェット燃料開発事業者、石油連盟、航空運送事業者などが参加する、ことになっている。

オブザーバーとして、経済産業省、国土交通省がついて、何をするかといえば、「・オリンピックにおける供給可能量の調査」をする、としている。

 

何のことはない、新技術を開発するわけではなく、2020年時点での「買い取ることができる『バイオジェット燃料』の可能な数量」を調査するだけである。

その可能性のある藻類の培養は、どの様な状況にあるかと言えば、実験室段階での培養は、成功していると公表されている。

肝心なのは、小規模でも良いから、量産を前提とした培養システムで、安定的に効率の良い培養ができるか、にかかっている。

前に説明した、【ユーグレナ社のミドルムシ】は、温度維持と炭酸ガス濃度を大幅に上げる必要があるので、アメリカ大陸の適地で量産する計画になった。

 

日本国内では、IHIなど3社が屋外培養プラントの技術開発に取り組んでいるが、量産時における「バイオ燃料コスト」の公表は一切ない。

多分、実験室レベルの段階を量的に拡大する段階に、大きな難問の壁が立ちふさがっている様である。

その様な技術面の困難を乗り越えるのが、大変な時間と労力、資金が必要になるのだが、経済産業省や国土交通省は、補助金を出して待っているだけだ。

「大量培養技術の確立」との計画では、2013年から始められた開発が、2015年度末には、完成することになっている。

 

微細藻類の光合成による培養での「バイオ燃料」の製造は、出来ることは確実であるが、もっとも重要な量産時の製造コストが、公表されないのは問題だ。

「オリンピック開催時の2020年」には、『供給可能量』を調査するのではなく、【量産時の製造コスト】を明確にしなければならないのだ。

ジェット旅客機が消費する大量の燃料の量産コストが、現状のジェット燃料に近ければ問題にはならないのだが、そう思惑どうりにはいかないであろう。

もしも、燃料費用が2倍~3倍になると、差額の負担はいったい、だれが負うことになるのか。また、ズサンなオリンピック費用にかぶせる気なのか。