庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

石油代替燃料の開発戦略が検討されないで欧米の真似では。

2015-09-23 | バイオ燃料・バイオマス

バイオ燃料の原料となる植物は、20世紀末には「食糧となる穀物」たとえば、トウモロコシや大豆から製造するのが主流であった。

ところが、人口増大する地球の限界から、【未開発国の人たちの食糧となる穀物】からエネルギー源のバイオ燃料を製造するのは、人道的に問題であった。

そこで、アメリカなどの先進国では、非食用の作物や荒れ地に育つ草を原料にする研究が始まった。

もうひとつの選択肢が、『藻類を原料にする方法』である。

 

この藻類を原料とする場合でも、「光合成で増殖する藻類」と、『従属栄養型藻類』に大きく分かれる。

日本では太陽光の日照率が不利(雨天や曇天が多い気候による)であるから、『エサを与えて増殖させる藻類』を、バイオ燃料の原料にするのが得策である。

この【エサを何にするか】、日本で入手できるエサで効率よく増殖する【藻類の種類】が、今後の検討課題として、もっとも重要な主要問題である。

それを、今までに研究や助成金の対象にするのに、深く考慮をしないで、とにかく、アメリカや欧州で採りあげているテーマにばかり、目を向けてきた。

 

経済産業省や農水省は、日本のエネルギーの長期目標も検討しないままに、その場しのぎの選定基準で、助成金の支給を続けてきている。

これでは、国民の税金を【お役所のマネごと行脚】のポーズ作りに、無駄使いのし放題になっている状況だ。

責任者不在のままに、「長期戦略の検討もおざなり」では、縦割り行政の弊害体質の官庁では、将来の方向性すらも国民には提示できないお粗末さである。

電力の脱化石燃料化の方向では、「再生可能エネルギー電力」の長期目標が提出されたが、「脱石油の再生可能燃料」の分野は、戦略目標が不在のままである。

 

その最大の責任は、国民の生命を守り、生活の豊かさ実現に向かう「国創り目標」を示せない政治家集団にあるのは、言うまでもない。

しかし、政治家はエネルギーの専門のことは不勉強で、政党での組織的な【石油、天然ガス、石炭】の長期的な代替技術開発戦略を研究すべきなのだ。

マスメディアの論調も、電力エネルギーばかりの情報に偏っている上に、たまたま石油の価格が低下傾向にあると、関心がおざなりになってしまう。

そして、日本の官庁や公的な組織では、欧米の技術開発の後追いの情報を追いかけるだけで、研究助成金は無駄使いに終始するが、反省すらしないのだ。(続)