庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

石油代替のバイオ燃料の研究には冷淡な石油・電力業界。 

2015-09-02 | バイオ燃料・バイオマス

日本で石油代替となる「バイオ燃料」が必要になることは、自明のことである。

しかし、バイオ燃料を作る元になる作物は、どうするのかと言えば、日本の政府は迷走を繰り返すばかりで、将来の国策は一向に見えない。

アメリカは、「コーンエタノール」を事業にした次は、広大な大陸の国土を利用して、燃料用作物からの「セルロースからバイオ燃料をつくる」研究に、多くの国費を充ててきた。

さらに、水槽や培養池で藻類の培養を大規模におこない、大量の油分を生産する仕組みを研究して、事業化の一歩手前までに進んでいる。

 

ところが、日本の現状では、お米からエタノールと作る研究に国費を使ったりしたが、全く事業化に目途はたたなかった。

廃棄木質材のセルロース分を糖化してエタノールを作る方法の研究にも、国費を投入したが、全く実用化にはいたらない。

アメリカの後追いの研究ばかりに、国費を投入する愚策を繰り返して、迷走しているだけであった。

民間企業の視点では、「藻類の選定」を適切にすれば、陸上の作物よりも、圧倒的に藻類の方が、効率良く燃料を得られるとして、研究に取り組んでいる。

 

その一部が、朝日新聞の夕刊(8月31日)に掲載されたが、主な取組を紹介する。

鹿児島市にIHI(本社・東京)が1500㎡の培養池を作り、屋外で育てる方法で培養の実験をしている。

愛知県のデンソー(自動車部品大手)は、増殖が速い種の藻類を培養実験を続けている。

福島県の南相馬市では、筑波大学などが、「土着藻類」の培養研究を進めている。

沖縄県石垣島では、ミドリムシ《ユーグレナ》の培養で事業化を目指して、改良研究に邁進している。

 

いずれも、太陽光と水があれば、培養出来るが、大きな問題は、培養に必要な養分と【炭酸ガス[CO2]】が必要になることだ。

これは、培養の速度が速くなるほど、水中に溶け込んでいる【炭酸ガス[CO2]】が藻に吸収されるので、不足気味になる。

しかし、自然界にある空気からでは、とても足りなくなるので、近隣の火力発電所から出る【炭酸ガス[CO2]】を分離して、水中に溶け込む様にする設備が必要になる。

しか、電力会社は、それに協力する気配もない様だ。(続)