庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

バイオ燃料で東京オリンピックへのフライトの構想は・・。

2015-09-08 | 海洋産業問題

2020年までに「バイオ燃料」による航空機のフライト実現を目指して、経済産業省は、「導入までの道筋検討委員会」を設置した。

航空機業界では、世界的に[CO2削減]への取り組みが強くなる中、「バイオ燃料」への取組強化が進んでいる。

日本では、[NEDO](新エネルギー・産業技術総合開発機構)を中心に、2008年から、バイオマスのガス化及び液化、微細藻類由来のバイオ燃料製造技術開発などを進めている。

航空会社のバイオ燃料の採用事例としては、2009年の日本航空に続き、2012年には全日空と日本貨物空港が、試験飛行を実施している。

 

この様に、取組を開始してから、かなりの年数が経過しているのに、進展が報じられることが少ない。

その事情は公表されないから、一般国民も関心を持たないまま、2020年はすぐそこになってしまっている。

「導入までの道筋検討委員会」には、ソコソコの民間企業が参加しているが、寄合所帯の連絡組織にすぎないオソレがある。

肝心の「バイオジェット燃料」の【原料作物】をどうするかが、まったく不透明の状態だからだ。

 

日本では、陸上作物で大量に栽培できる余剰の土地はないに等しい。

耕作放棄地などの栽培する「作物の候補」は、いくつかがあるが、最近はあまり積極的に取り組むところもない。

そこで、注目を浴び始めたのが、「藻類栽培とバイオ燃料」の事業の促進である。

候補としては、「食用サプリメントの原料」となる【ユーグレナ社のミドリムシ】であるが、現在までは沖縄県石垣島での事業化が成功している。

しかし、前にブログで説明した様に、大気開放型の栽培では、他の種類の微生物の増殖が、問題になって増産がむずかしい。

 

この防止には、水中に大量の炭酸ガスを溶け込ませることで、ミドルムシだけを成長させることが可能だが、炭酸ガスの調達に費用がかかる。

ついに、ユーグレナ社では、日本での増産には見切りをつけて、アメリカ大陸の適地に進出する方針に切り替えている。

水温が適正《25℃以上》に保て、炭酸ガスが豊富に調達できる地域を選定する。

しか、これでは、バイオ燃料をアメリカから輸入することになってしまう。(続)