庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本の適したバイオ燃料は光合成しないで増殖する藻類で。

2015-09-22 | バイオ燃料・バイオマス

ユーグレナ社は、2005年に設立されたベンチャー事業家の着想と熱意で、大量培養に成功し、食品添加物事業では収益を得て、事業拡大を図っている。

しかし、本来の大型事業への発展には、「バイオ燃料」の量産化が必要であるが、大量生産に向けては、国内の立地では将来性が期待できない。

そこで、アメリカ企業の出資を受けて、広大な敷地のあるアメリカ大陸での、事業拡大戦略に突き進んでいる。

これでは、揺籃期にベンチャー立ち上げの支援をしてきても、最終的にはアメリカの事業に移転する「海外依存のエネルギー産業」となる、

 

エネルギーの自給率向上に対する【長期的戦略もない日本政府】に頼るのは、起業家にとっては、リスクが大きすぎるとの判断である。

ベンチャー企業ではない「IHI社」の取組技術は、「ボトリオコッカス」と言う藻類を、大量培養することを目標にしている。

この藻類は、日本で発見された【油脂を効率的に体内に製造する藻類】であり、生成効率を高める研究を積み重ねている。

実験室段階をクリアーして、今は小規模の量産試験の段階で、国の支援も受けてデータの蓄積を重ねている。

 

この藻類は、太陽光を利用して光合成で藻類の体内にオイル成分を生成する。

他の雑菌の増殖を防ぐために、強度の酸性水での培養が必須であり、太陽光の日射率が好条件の地域での培養が有利である。

この藻類の培養事業には、大量の土地が必要になり、日照率が良い地域となると、やはり[アメリカ大陸]や[オーストリア大陸]の方が有利となる。

結局、行きつく先は、「大陸国家での安価で日照率の良い地域」が、量産コストの面で圧倒的に有利な事業にならざるを得ない。

 

そこで、着目すべきポイントは、藻類には太陽光で光合成に依存するタイプと、『有機物のエサをとりこんで増殖するタイプ』があることに留意する。

日本の様に土地代が高く、日照率もあまり有利でない国では、後者の【従属栄養型藻類】の量産が有利になる、と予想される。

2010年から、筑波大学の研究グループが取組を開始し、2012年から東北大学と仙台市の協力を得て、下水処理の有機物を浄化する設備で、藻類の培養を実験中である。

目標の油脂が効率よく生成できる条件を探って、試験設備での研究が進む。(続)