庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

政府の助成金制度は無駄を生む源泉。成果に報酬を与えよ。

2015-09-16 | バイオ燃料・バイオマス

バイオジェット燃料の開発促進に対して、電力の「再生可能電力固定価格買取制度」[FIT]に倣った「賦課金の制度化」を提案している。

その理由とメリットについて、さらに、詳しく説明を書いていきます。

バイオ燃料の研究開発は、2006年頃から政府の課題に取り上げられて、当時は自動車用の代替燃料として、「バイオエタノール」の開発が目標にされていた。

このエタノール燃料を国産の作物から作る目的で、各種の研究課題が提唱されて、政府の補助金を使って開発促進をするコトになっていた。

その中に、お米からエタノールと生産する「イネイネプロジェクト」があった。

 

2007年5月頃から発足した研究プロジェクトは、大学と地域と企業の連携した「産官学民」の連携プロジェクトとして、成果が注目されていた。

政府からもかなりの助成金がつぎ込まれていたが、2015年の実用化を目指していたが、現在までにまともな成果は一切公表されていない。

このプロジェクトでは、日本の稲作を守ることや、余剰米の処理方策やら、遊休耕作地の利用など、目的と手段をごちゃまぜにした計画になっていた。

結局のところ、9年間も研究開発に税金を投入していても、成果はゼロである。

 

何故、この様なテイタラクに終わるのか、分析して行く必要もあるが、政府の助成金をつけると、そのお金を使うことが目的になってしまう様だ。

目的の成果を出す為の手段を、いちいち、お役所に届けて、連携した組織間の意見調整ばかりに時間と労力をかけて、消耗してしまうのである。

これが民間企業であれば、途中のチェックが働き、研究停止の判断がでる。

お役所は一度助成金をつけると、失敗の結果では言いわけができないので、次々と新しい口実と手段を考えだして、プロジェクト活動を継続させてしまう。

そして最後には、何も成果の出ないままに、責任者不在のままに終結させる。

 

政府のお金は、入り口の段階の助成金にすると、成果を出す為の事業性検討がおろそかになって、助成金の審査に合格し易い計画を、作文で作ってしまう。

首尾よく、政府の審査に合格して動き出すと、毎年の政府への報告が最優先になって、目的の成果を出す事業化に勢力をかけることが後回しになるのだ。

この点で、[FIT]制度の様に、実際に再生可能電力が生み出された成果に対して、上乗せの賦課金が支給されるので、実効性が高い仕組みになっている。

現在はバランスの取れた促進策とは言えない弱みはあるが、従来の様に役所が助成金の対象を選定して、無駄に終わる取組ばかりになるのは防止できる。(続)