庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

環境税の新規導入は及び腰ながらも、やっと合格点か。 

2010-12-20 | 快適エネルギー社会問題
気候変動対策に必要な「温室効果ガスの排出削減」に役立つ政策の財源として、石油や石炭になどに課税する【環境税】の導入が、議論百出の中でようやく「政府としての税制改正大綱」に盛り込まれた。
民主党の政権交代にマニフェストの中での、具体的な政策決定としては、温暖化対策関連では始めての成果と言える。

この財源を有効に使うために各省庁でも綱引きがあったが、来年度は「経済産業省と環境省が共管するエネルギー対策特別会計に全額を繰り入れ、地球温暖化対策に充てることで決着した。」
と報じられている。
「環境税は、現在、石油や石炭などを輸入する際、企業に課税している石油石炭税に、二酸化炭素の排出量に応じて税率を上乗せする形で導入される。
消費者が購入する際の価格にそのまま転嫁された場合、経済産業省の試算では、ガソリン価格が1リットル当たりおよそ0.8円、電気代が1世帯当たり月に30円余り、値上げされる。」

この程度の値上がり分を消費者が負担することは、原油価格の変動でしょっちゅう変動する物価の中では、吸収することは可能であろう。
これによって、経済の好転に少しでも寄与する方が、国民の期待に沿う筈である。

しかしながら、これ程度の値上がりにも、猛烈反発する業界がいる。
言わずと知れた、「化石燃料多消費型産業」である。
この値上がり分を企業努力で吸収できるような経営することが、本来の責任であるのに、これでは国際競争力で不利になるから、容認できないと今でも言い続けている。
この言い分に民主党は配慮しすぎる姿勢で、完全実施に要する期間を3年半も懸けることに妥協してしまった。
その結果、来年度の税収は350億円、3年半後でも2400億円の税収に留まる。
これでは、地域社会での温暖化対策などには財源を回す余裕はでない。

民主党はまたもや、守旧派産業界の言い分を優先して、地域社会の再生に必要な財源の創出には、腰が引けてしまった。
菅内閣の弱腰姿勢が、垣間見える様で、落第点の税制と呼ばざるを得ない。
それでも、何もしなかった自民党政権の「落第政策の温暖化対策」時代、2000年~2009年の無為無策に比べれば、初年度の政権としては下駄を履かせて、合格点としたい。

それは、マニフェストでは、ガソリン・軽油の暫定税率を廃止すると公約していたが、環境税の税率を低く抑えた為に、財源の確保が難しくなって苦肉の策として
『当分の間維持するとしたガソリン税と軽油 引取税の旧暫定税率の取り扱いを論議。2.5兆円に上る税収維持のため、11 年度も現在の税率を維持することを決めた。』
これは、当然の公約変更として、認めるべきであろう。
グリーン産業育成のためにも。(以下、次回)