庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

大きすぎることは混乱を招く。「規制のある自由」を目指すべき。

2010-12-11 | 国創り政治問題
規模の拡大という方向は20世紀社会が目指す、ひとつの手段であり、モノやおカネの面でグローバル化を目指すとして、1990年以降の潮流となってきた。
しかし、大量に出回る事が、自由になりすぎると、弊害をもたらすことも明らかになった。

「大きいことはいいことだ!」は、一時期の流行語の様にはやったが、これからの多様性を価値とする社会と文化においては、適切な大きさ、規模、範囲を対象とした「規制のある自由」を創造していく必要がある。

いきなり【規制のある自由】と言いだしても、何のことやら解りかねるでしょうが、事例を挙げて説明していきたい。

今、気候変動枠組み条約の会議[COP16]において、日本は孤立化しながらも日本の国益として断固とした姿勢を貫いた。と報道されている。
これは詳細は後日に書いていくが、国益同士のぶつかりあいで、国際条約としては合意ができる解決策、妥協策ができない状態になり、来年の会議[COP17]に先送りされる事になった。
しかし、その中でも課題を限定した場合には、合意に達する事も出来る。
下記にその報道内容を引用する。

国際線のCO2排出を削減へ COP16に報告  2010/12/09 09:55 【共同通信】
 【カンクン(メキシコ)共同】増加傾向が続く国際線航空機からの二酸化炭素(CO2)排出について、国連の国際民間航空機関(ICAO)は8日まで に、燃費規制の導入などで排出量を2020年レベルで頭打ちにするとの削減 計画をまとめ、メキシコで開かれている気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)に報告した。
 国境を越えた移動による排出は国の責任が不明確なため、先進国の温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書の規制対象外となっている。
一つの産業分野で世界共通の削減目標ができるのは初のケースで、議定書に定めのない13年以降の国際枠組み交渉を後押しする効果も期待できそうだ。

以上の様に、国際線航空機の分野に限定すれば、多くの国の利害が相反する状況が緩和され、お互いの利益になる合意点ができる課題の実例である。

国連は世界政府ではないし、そこに枠組みを限定する必要もない。
さらに、気候変動問題という大きな対策を必要とする分野において、さらに対象を絞った課題を合意していくやり方が、これからの時代には必要になっている。

国際航空というひとつの産業分野を、「二酸化炭素(CO2)排出抑制」という規制を懸けて、
その範囲で自由な経営とサービスを競うことになる。
これが【規制のある自由】の事例になっていく。(以下、次回)