東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
毎日読んでいただくと、心がホンワカ・・・

褒めるべきか叱るべきか

2012-01-03 | 経営の気づき
「褒めて育てる」のがよいか、それとも「叱って育てる」のがよいか。このテーマは、しばしば議論になる。ある人は、俺は絶対に部下は褒めない」と公言しているし、「自分は叱られるとやる気がなくなるから、叱らないようにしている」という方もいる。どちらがよいのだろうか。そこで、二つの実験結果をご紹介しよう。

ゲームで勝って賞金を得たときと、他人から褒められたときの脳の反応を特殊な装置で撮影して比較した。すると、他人から褒められた時と現金を受け取った時は、人の脳の同じ部位が活性化する。つまり、人は褒められると嬉しいということが、科学的に証明されている。

では、叱られることはどうであろうか。叱り方による脳の反応の違いを観測する実験の結果、すぐに行為を止めさせたり、とにかく意識を向けさせるときは、激しく叱ることに効果があることがわかった。ただし、何度も激しく叱られると、脳の活動が弱くなり、注意力も落ちていくこともわかった。そして、根本から行動を改めさせたり叱られた原因を考えさせるときなどは、冷静に叱ることに効果があることもわかった。

つまり、褒めることと叱ることは、どちらも効果があるということだ。したがって「どちらがよい」という問題ではなく、正しく使い分けるものだと言える。



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4 コメント

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飴とムチ (パイカジまっちゃん)
2012-01-03 07:53:48
昔の言葉でいうと「飴とムチ」だと思います。
最近の若い人は、叱られ慣れていない人が多く、叱咤激励の体験があまりありません。
厳しく指導という経験をしたものにとっては、良い指導(叱ること)もその経験をしたことのないものにとっては、苦痛にしか感じないのだと思います。
スポーツで例えると解りやすいと思いますが、最初から試合に臨むと、全く試合になりません。
まずは、基礎体力を高め、基本を身につけ、そして試合に臨むことが肝要です。
人の教育も一緒だと思います。
最初から厳しくしても、心が通じ合っていないのでそっぽを向くだけ。褒めながら、そして注意すべきことは注意する、そして、レベルが上がってきたら、大きい間違いをしないためにも厳しくしかることも肝要。
その人との心が通じ合っていれば、その厳しさは、指導という言葉に変換されて叱っている人に理解されるのだと思います。
本当に、褒める、叱るは使い分けが大事だと思います。
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私の周囲を見渡した場合 (ken)
2012-01-03 08:43:52
叱り方のうまい人と褒め方の上手い人を見比べたとき、叱り方の上手い人に、人間的魅力を感じます。もちろん、この方も「褒めること」をしていますが、際立っているのは、叱り方です。叱られて、その方の人間性に惚れるというのは、本物の魅力を持っているのでしょうね。
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松下幸之助氏の12月22日の一日一話 (パイカジまっちゃん)
2012-01-04 08:21:35
ふと、思い出したのですが松下幸之助氏の一日一話に「小事を大切に」というくだりがあります。
大きい失敗は本人も自覚して反省している。
しかし、小さい失敗は本人の不注意や心のゆるみから起こる事が多いので、小さい失敗ほど厳しく叱るということが大切、と書かれています。
まさに、そういう一面も必要だと思います。
※東矢先生のコメントを読み返していて思い出しました。5周目の賜物でしょうか(笑)
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さすが (ken)
2012-01-04 08:57:56
深掘りは、さすがですね。
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