なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

また脊椎圧迫骨折

2024年07月21日 | 整形外科疾患

 内科外来に通院している79歳女性が、5月8日胸腰椎圧迫骨折で整形外科に入院した。内科外来には高血圧症・糖尿病・高脂血症で通院している。

 別の病院に長年通院していたが、2023年に担当医が不在(癌で入院して亡くなられた)となり、夫が通院している当院に通院するようになった。(夫は当院泌尿器科にも通院しているので、高血圧症も当院内科外来に通院)

 自宅で転倒して、胸腰椎に3か所(Th11・12、L4)の骨折だった。骨粗鬆症の治療はしていなかった。

 2か月間入院して、コルセット作成などして退院予定となった。ところが退院前日の7月12日にも病棟で転倒していた。それほど痛みが強くないと判断されたため、7月13日(土)に予定通り退院となった。

 ところが自宅に戻ると腰痛がひどくなり、体動が困難となった。3連休最後の7月15日に救急外来を受診した。日直は内科医だったので、鎮痛薬の点滴(アセリオ1000mg)を行って、翌日整形外科外来を受診とした。

 7月16日に整形外科外来で胸腰椎のMRIを行うと、新規の腰椎圧迫骨折(L1)があった。再入院となった。

 診療日ではない土曜日に退院予定になっていたのが、影響した。慎重に対応するとすれば、退院延期とすればよかったということになる。

 退院日に痛くて動けないということなら、当然延期になったはず。本人も2か月ぶりで自宅に戻れることもあり、痛みがひどいといわなかったか。

 家族から前日に転倒しているのは聞いていないという話が出たりして、もめたらしい。

 

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ウイルス感染症だとは思う

2024年07月20日 | 感染症

 7月17日(水)に2日前から発熱が続く19歳男性が発熱外来を受診した。7月15日と16日に市内の違うクリニックを受診して、コロナとインフルエンザの迅速検査を受けて、いずれも陰性だった。発熱外来なので当院でも施行したがやはり陰性。

 症状は15日に発熱40℃で、当院を受診した日も38℃の発熱があった。鼻汁・咳はなく、咽頭違和感があるというが、嚥下痛はない。咽頭はわずかに発赤があるかもしれないが、腫脹・白苔などはなかった。高熱はあるが、ぐったりしているわけではなく、食事摂取はできる。

 ただその日から顔、頸部、胸部と細かな発疹が多発して、両上肢にも散在していた。皮膚科で診てもらったが、特定の診断名がつくものではないという。

 血液検査では白血球減少(3100)・血小板減少(11.2万)があった。(Hbは15.1g/dLと正常域)異形リンパ球はないが、単球が11.0%と若干上昇している。肝機能はAST 43・ALT 40・LDH 291・ALP 59・GTP 26・総ビリルビン0.6と軽度に肝細胞障害型の障害を呈していた。

 CRPが1.2と発熱3日目の値としては軽度上昇にとどまっている。血算と肝機能も含めて、ウイルス感染症を示唆する値だった。副鼻腔炎・扁桃炎・肺炎などの細菌感染症らしくはない。

 皮膚科医と相談して、何らかのウイルス感染症だろう、ということになった。本人と付き添いの母親に説明して、アセトアミノフェンだけ5日分処方して、週明けの月曜に再受診とした。

 年齢的にEBウイルスのマーカーだけ提出しておくことにした。

 

 その日の午後の発熱外来を担当したが、COVID-19の患者さんが次々に受診した。入院させたかった85歳女性もいたが、病室がなく、入院で行う治療を外来でして、翌日入院しているコロナの患者さんが退院した後に入院させることにした。

 

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COVID-19肺炎

2024年07月19日 | COVID-19

 7月12日(金)に救急外来を診ていた外科医(非常勤)から、コロナの81歳男性を入院させたいと連絡がきた。

 ふだんは当院の外来に高血圧症・糖尿病で通院している。2-3日前から倦怠感があり、その日に39℃の発熱があり、転倒した後に動けなくなったということだった(打撲だけで骨折はない)。咳と痰も出始めていた。

 コロナの迅速検査(抗原定性検査)が陽性で、胸部X線・CTで肺炎像を認めていた。肺炎は両側に淡いすりガラス陰影が散在していて、両側下肺野背側にコロナの陰影か細菌性か迷うような陰影もある。

 白血球9300・CRP23,8とコロナにしては高すぎる値だった。コロナでは重症にならないと、それほどは上がらないので、細菌感染併発が考えられた。

 酸素飽和度は92%(室内気)と軽度に低下していた。外来のコロナ用の部屋に診に行くと、元気はないが、会話は普通にできた。そのまま急性期病棟の奥になる個室に入院となった。

 入院後は抗ウイルス薬のレムデシビル(ベクルリー)点滴静注と抗菌薬(セフトリアキソン)を行って、解熱軽快した。連休明けの7月16日(火)には飽きて退院したいといっていた。

 普段はかなり元気な方なのだろう。そういう人が、入院時には相当まいっていた、ということになる。

 レムデシビルは5日間投与なのでその日で終わりだが、抗菌薬は7日間投与とした。7月15日(祝日)に妻が発熱・咽頭痛・咳で当院の発熱外来を受診して、コロナ陽性だった。外来治療で経過を見られるくらいだった。

 妻との二人暮らしで、他にうつる人もいないので、10日を待たず早期退院(自宅静養)とした。

 

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内頚動脈解離

2024年07月18日 | 脳神経疾患

 7月16日(火)に脳血管障害の専門病院から46歳男性がリハビリ目的で転院してきた。最初に転院依頼の紹介状が来たのは6月始めだったが、その後いろいろトラブルがあって1か月以上かかっての転院だった。

 5月15日に職場で倒れているところを同僚に発見されて、地域の基幹病院に救急搬入された。症状は意識障害(JCS 10)、左半身麻痺だった。頭部MRIで右中大脳動脈領域に梗塞巣を認め、CTAで右内頚動脈閉塞と診断された。

 血栓回収術のため、先方の専門病院へ転送となった。脳血管造影で右内頚動脈解離と診断されたそうだ。ステント留置を試みたが難しく、バルーン拡張のみ行ったとある。

 右内頚動脈は血流回復しているが、右中大脳動脈領域の脳梗塞はそのまま残った。

 その後穿刺部の出血から貧血を来して輸血を要した、というのが2回目の転院依頼だった。

 さらに穿刺部に感染を来して、菌血症・敗血症になった。血液培養で起炎菌は検出されなかったが、エンピリック治療の抗菌薬で症状軽快してきた、というのが3回目の転院依頼だった。

 転院してきた日の前日まで抗菌薬が投与されていた。当院で経過をみて、また発熱が見られれば、血液培養提出・抗菌薬投与が必要になる可能性がある。

 

 両親はすでに亡くなっていて、兄と二人暮らしだった。兄と相談して、日中ひとりで過ごせれば自宅退院だが、それが難しい時は施設入所ということになった。(本人は仕事ができるようになると思っているようだ、ともいっていた)

 内頚動脈解離は初めて見る。特に高血圧症など治療を要する疾患はなく、健診でも異常がなかったそうだ。

 

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グラフト感染疑い

2024年07月17日 | 感染症

 7月13日から15日まで3連休だった。その週末は大学病院からの日当直の応援はなく、全部常勤医の担当となる。たまたまそこに入っていなかった。

 7月12日(金)にCOVID-19の高齢男性が入院した。軽度だが両側肺炎があり、39℃の発熱で体動困難となっていた。他の入院患者さんは落ち着いていたので、気になるのはその患者さんだけだった。

 翌々日の14日(日)に病棟に連絡に連絡すると、36℃台に解熱して食事も半分以上食べているという。予定していた点滴を継続してもらえばいい、と判断された。

 ということで、珍しくしっかり3連休になったのだった。

 

 7月7日(日)に記載した菌血症の60歳代前半の男性のその後。

 血液培養2セットから検出されたグラム陰性桿菌は、Pasteurella multocidaだった。「ネコや犬の口腔内に常在する菌で、動物咬傷で他の口腔内常在菌との混合感染が多い。」(プラチナマニュアル)。患者さんはネコを飼っている。

 抗菌薬の感受性は良好だった。「ペニシリンに感受性があるが、口腔内嫌気性菌と混合感染があり、咬傷や軟部組織感染症でβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンのAMPC/CVA、ABPC/SBTを用いる。蜂窩織炎によく使用される第1世代セフェム系やCLDMが無効であることに注意!(プラチナマニュアル)」。

 胸部大動脈の大動脈弓部にグラフトが挿入されていて、下行大動脈から腸骨動脈にYグラフトが挿入されている。放射線科の読影レポートには「腹部大動脈周囲ないし両側腸骨動脈周囲に脂肪織濃度の上昇がみられ、明らかな病的所見と考えられる。造影CTを強く推奨する。」とあった。

 

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膵癌

2024年07月16日 | 消化器疾患

 7月11日(木)に食後の下腹部痛・腹部膨満感で70歳代前半の女性が内科外来を受診した。便秘もある。

 外来担当の先生が腹部CT(単純)を撮影すると、膵頭部(体部寄り)に腫瘤を認めた。造影CTが追加された。膵癌だった。

 膵癌の腫瘍マーカーは血清CA19-9が12000以上と出て、CEAも273と上昇していた。画像上は臓器転移はなさそうだが、この値だと転移が疑われる。

 この患者さんは糖尿病外来に通院している。経口血糖降下薬に持効型インスリンのBOTだった。3月から7月にかけてHbA1cが1%上昇していた。このくらいだと、膵癌発症による糖尿病の悪化を考えるのは難しいか。

 5月末に便秘と腹部膨満感を訴えたので、下部消化管内視鏡が行われている。結果は異常なしで、便秘薬が追加になっていた。これも症状的にはそういう対応になるか。

 

 

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尿管結石

2024年07月15日 | 泌尿器科疾患

 7月12日(金)の午前4時に左下腹部痛の62歳女性が救急搬入された。午前3時ごろ就寝中に突発した痛みなので、当直の若い内科医は尿管結石を想定したようだ。

 7月5日に同居の娘がコロナ(COVID-19)に罹患して自宅療養していた。発熱はなく、呼吸器症状もないが、コロナの迅速検査をするところから始まった。

 搬入時は疼痛が軽減してきて、診察時には消失していた。腹部は平坦・軟で圧痛なし。腹部CTで確認すると、膀胱内に結石を認めた。尿管膀胱移行部に引っかかっている可能性もあるが、おそらく膀胱内に落ち込んでいる。

 尿管結石による疼痛発症の平均的時間帯なので仕方がないが、この時間の搬入はつらい。うまく自然排石(膀胱内に落ちれば後は出るだけ)してきたので、その点は幸いだった。(この後午前6時に90歳代女性も搬入されて、入院になっていた。)

 

 若い先生だと当直しても回復は早い。当方は年齢的に1回当直すると、調子が戻るまで3日かかる。

 

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UDF

2024年07月14日 | 無題

 amazonでUDF(ウルトラディテールフィギュア)シリーズとして、アニメチャラクターの小さなフィギュアを販売していて、たまに好きなキャラクターを購入している。’

 ムーミンでは「スナフキン」、ピーナッツPEANUTSでは「スヌーピー(とウッドストック)」、クレヨンしんちゃんでは「しんちゃん」と「ぶりぶりざえもん」、キテレツ大百科では「コロ助」など。

 ちびまる子ちゃんは「まる子」と「おじいちゃん=友蔵」を購入した。「たまちゃん」も販売されたので購入した。

 

 ちなみに、病院の看護師さんで、たまちゃんが大きくなったらこんな感じだろうという人がいる。ひそかに、たまちゃんと呼んでいる。

 以前に、入院していた高齢の患者さんが酸素吸入を外して病室から廊下に出て来て、そのまま倒れて亡くなるという出来事があった。(せん妄状態だったか)時間外の早朝のことで、当直医が駆け付けて心肺蘇生術を行ったが、反応しなかった。

 その時に深夜勤務で担当していたのがこの看護師さんで、ショックを受けてしばらく勤務を休んでいた。

 また新型コロナで入院していた認知症の高齢男性に、突然ベットに押し倒されたこともあった。個室管理で個人防護服(Full PPE)を着用していたが、アイガードやN95マスクは吹っ飛んだ。それでも、看護師さん2名1組で入っていたので大丈夫だった。(患者さんは家族に説明して早期退院へ)

 看護師さんはいろいろと大変なのだった。

 

  たまちゃん(穂波 たまえ)

 まる子とは大の仲良し。三つ編みとメガネが印象的な女の子。まる子の思いつきや発言をいつも真剣に受け止めてくれる優しくまじめな性格。                                

 ときどき、たまちゃんの常識では理解できないような事があると、ひそかに心のなかでたみーというアルプスの少女に変身しその気持ちをかたるというロマンチックなところもある。
 好きな食べ物はメロン、プリン、ケーキなど。

たまちゃん(穂波 たまえ) イメージ画像

 

 まる子に翻弄されるおじいちゃんの友蔵さんがいい。理想の老後の姿なのかもしれない。

おじいちゃん(さくら 友蔵)

 まる子のおじいちゃん。

 まる子の事が大好きでつい甘やかしてしまうやさしい性格。ちょっとぼんやりしているのでときどき、まる子がおこづかいをもらおうとし、そのうまい口ぐるまにのせられてしまうことも。
 そんな時は少し元気がなくなるが、最後にはやっぱりまる子のためにつくしてしまう。それくらいまる子と友蔵には深いきずながある。 

 また、何か出来事があると、心の中でひそかにその事をあらわす俳句をよむことがある。俳句をよんだ後はたいてい「友蔵 心の俳句」という言葉でしめる。(実際は季語がなく、内容的にも俳句ではなく川柳)
 好きな食べ物は湯豆腐、納豆、ウニ。

おじいちゃん(さくら 友蔵) イメージ画像

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意識変容

2024年07月13日 | 脳神経疾患

 7月12日(金)に地域の基幹病院脳神経内科から86歳男性が転院してきた。当院から搬送しているので、正確には戻って来たということになる。

 

 認知症で隣町の施設に入所していた。グループホームなので、食事摂取・排泄・歩行などは自立していた。6月27日の朝に起きてこないので、職員が見にいくと、まだベットに寝ていた。

 呼びかけても返答はなく、手足はそれに反応してなのか勝手になのかベット上で動かしていた。救急要請して当院に搬入された。膀胱瘻の管理を当院の泌尿器科外来で行っている。

 救急担当の内科が対応した。画像検査は頭部CTで出血はなく、頭部MRIでも拡散強調画像で新規の脳梗塞はなかった(陳旧性左小脳梗塞はある)。胸部X線で肺炎像はなく、血液検査・尿検査でも意識障害をきたすような異常はなかった。心電図では心房細動があった。

 「非けいれん性のてんかん重積発作も考えられる」ということで、地域の基幹病院脳神経内科に連絡して、搬送となった。

 

 搬入時は開眼はしているものの発語はなかった。頭部MRI再検でも異常はなかったそうだ。入院後はその日のうちに発語がみられるようなっていた。

 意識がはっきりしている時は自力で食事摂取もできるが、その後は反応がみられなくなったり、良くなったりを繰り返していた。脳波検査は異常を認めず、診断的治療として抗てんかん薬を投与しても変化はなかった。

 「認知症による意識変容と低活動性せん妄」と考えます、と記載されていた。認知症の薬は発売されたばかりのアリドネパッチが開始されている。

 

 療養転院は内科医が順番で受けているが、今回担当になったのは、搬送した先生ではなく、昨年尿路感染症・敗血症(大腸菌ESBL)の入院で担当した先生になった。

 膀胱結石があったことから、非常勤の泌尿器科医が県庁所在地にある総合病院泌尿器科に紹介して、膀胱瘻造設・膀胱結石摘出術が行われていた。

 

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慢性硬膜下血腫

2024年07月12日 | 脳神経疾患

 透析で通院している86歳男性が、7月8日(月)に3日前からの右半身麻痺を訴えた。

 脳梗塞疑いで頭部MRIを撮像すると、左慢性硬膜下血腫を認めた。順序が逆になったが、頭部CTでも確認していた。血腫除去術を要すると判断されて、地域の基幹病院脳外科に入院となった。

 ただ透析患者さんなので、その日の分の透析を済ませてから、午後から先方の病院に向かった。確か火曜日が手術日に当たるはずだ。術後の10日には患者さんを紹介した腎臓内科医に連絡が入って、当院転院の手配がされていた。

 慢性硬膜下血腫は珍しくないが、頭部MRIで見ることはあまりないので、興味深く拝見した。順番に拡散強調画像、T1強調画像、T2強調画像、FLAIRになる。

 慢性硬膜下血腫では間違わないが、出血and/or梗塞はMRIでは判断を間違う可能性があり、頭部CT→頭部MRIの順で行うことにしている。

 

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