なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

医療安全

2018年10月16日 | Weblog

 昨日は専門医共通講習「医療安全」があり、夕方早退して医療センターに行った。講師は同院の前医療安全管理室長の外科医師(膵炎の外科治療で有名な先生で、久しぶりにお顔を拝見した)。定年退職して、現在は診療報酬支払基金におられる。

 医療安全全般について話をすることになっているそうで、駆け足の講演だったが、Fool proof(フールプルーフ)Fail safe(フェイルセーフ)の話が興味深かった。

 Fool proofは「そもそもミスできない設計」になっていること。配管接続で酸素と空気は穴の形状が違うので、間違えていたら接続できない。またNGチューブ用のシリンジは、点滴ラインに接続できない形状になっている。これは以前は接続できたので、NGチューブから注入する薬剤を点滴ラインから静注するという事故が起きていた。

 Fail safeは「ミスしても安全」になっていること。医療機器を誤った使用法で操作しようとした時に、自動的に機能を停止するようにする。併用禁忌薬をオーダーした時に「アラート」が出る。

 あとは有名なハインリッヒの法則1つの重大事故(の背景)には、29の軽症事故、300のインシデント(ひやり、はっと)がある

 まあ興味をもったところだけしか理解しないというのは、バイアスがかかった受講態度?。

 

 昨日の午後に、内科医院から肺炎の74歳男性の入院治療依頼が来ていた。出かけるので、もう一人の内科の先生にお願いすることになった。今日画像を確認すると両側のけっこうな肺炎(誤嚥性か)だった。4年前に脳梗塞で神経内科に入院した既往がある。高血圧症・糖尿病(HbA1c7.1%)もある。

 その時のMRI・MRAを見ると、右内頚動脈・中大脳動脈、右後大脳動脈が閉塞していて、右後大脳動脈領域の脳梗塞をきたしていた。両側肺炎だが、酸素吸入2L/分くらいで酸素飽和度は保たれていた。後大脳動脈領域の脳梗塞を見ることは割と少ない。

 朝病院に来る途中のラジオで、昨日深夜に当地の道路を横断していた50歳代男性が車にはねられて重度の頭部外傷を負ったというニュースが流れていた。昨日はその内科のもうひとりの先生が当直だったので訊いてみた。救急隊から連絡が来たが、意識も悪く頭蓋内出血・損傷が確実にあると判断されたので、脳外科のある地域の基幹病院に連絡するよう伝えたそうだ。

 

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