なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

しだいに居なくなって

2018年10月02日 | Weblog

 朝病院に車で向かっていると、ラジオで86歳女性が自宅の火事で焼死したというニュースが流れた。名前を聞くと、外来で診ている患者さんだった。同居している娘さんは隣人に助け出されたが、母親は助けられなかった。

 、この娘さんはパーソナリティ障害で精神科に通院していた。昨年全身倦怠感・筋力低下で入院して、内科の他の先生が担当した。極度の低ナトリウム血症・低カリウム血症だった。低ナトリウム血症は心因性多飲で、低カリウム血症は下剤によるが、偏食もあった。入院後は点滴もしていたが、偏った生活の補正による方が大きかったようだ。短期間で退院していた。

 出火の原因はこの娘さんの寝タバコらしい。故意ではないが、複数の睡眠薬を使用しているのできちんと処理できなかった可能性が高い。娘さんは口腔内・鼻腔内に煤がついていて、気道熱傷疑いで入院した。出火の原因になるので、警察官付きの入院だった。

 亡くなった患者さんの夫も内科に通院していた。どちらも糖尿病があり、同じ日にそろってに外来に来ていた。その後、夫は認知症の悪化で通院していた精神科病院に入院したが、少しして亡くなっていた。

 ほとんどが80歳以上の通院患者さんを診ているので、しだいに櫛の歯が抜ける様に、こうして居なくなっていく。

 入院でも同様で、今週は入院の原因となった感染症は治ったものの、嚥下障害などで食事摂取が難しい(できない)89歳男性と99歳女性の家族からDNRの書類にサインしてもらうところから始まった。胃瘻や高カロリー輸液は希望されず、末梢点滴+嚥下訓練継続で最期まで(?)経過をみる。

 

 「ここまでわかる急性腹症のCT 第3版」が出た。この本は初版、第2版と購入してきた。帯の宣伝に「唯一無二のテキスト」とあるが、確かにそうだ。研修医にお勧め。1か月で読み切ろう。

 ここまでわかる急性腹症のCT 第3版

 県の医師会の原稿を先週メールで送っていたので、受取りのメールが入っていた。市の医師会でも年に1回会報を出していて、病院の他の先生方は面倒なのか毎年誰も出していない。今年も11月末の締切りまでに1ページ分だけの原稿を出す予定だ。開業医の先生方は、3~4ページくらいの分量で外国旅行の報告や趣味の話を書いたりしていて熱心なものだ。

 

コメント
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