なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

搬送拒否・入院拒否

2017年08月28日 | Weblog

 今日は脱水症(+急性腎前性腎不全)の高齢者が2名入院した。

 一人暮らしの96歳男性は先週道路で倒れて、近所の人が救急要請した。救急隊が来たが、搬送拒否で搬入はされなかった。その後が先週金曜日で、この時は病院に搬入された。搬入されたが、今度は入院拒否だった。仕方がないので、外来で2本点滴をすることにした。遠方の息子さんに連絡したが、行かないとダメですがと言われた。それでも、夜になってからでよければ行きますと、しぶしぶだが来てくれることになった。翌日外来に来てもらって点滴をすることにしたが(入院でもよい)結局来なかった。

 そして今日も道路で倒れて近所の人が救急要請した。脱水症・腎前性腎不全になっているが、明らかな感染症はなかった。今日は前回よりも弱っていて、入院が必要というと、うなずいた。点滴してある程度良くなると帰ると言い出すのだろうが、とりあえず入院になった。息子さんに連絡したが、来るかどうかはわからない。

 もう一人は妻とふたり暮らしだが、数日に1回様子を見に行っている娘が倒れているのを発見して救急要請した。この方も脱水症・腎前性腎不全だった。しばらく倒れたままだったのか、筋原性酵素も上昇していた。救急隊からの連絡では、本人は搬送拒否だが、家族は搬送を希望しているというので来てもらった。

 前立腺癌で骨転移もあったらしい。地域の基幹病院泌尿器科で治療を受けていたが、通院が大変なので町内の診療所で処方していもらうことになっていた。ただそれも1年前から中断していた。PSAを測定すると3ケタだった。

 入院はしたくないというが、娘さんから付き添ってもいいので入院させてくださいと言われて、入院にした。どうしても帰るという時は、自宅に戻ってそこで亡くなっても仕方ないですという。散々受診か入院を勧めても承諾しなかった経緯があるのだろう。

 専門医の診療では考えないような問題があって、そんな診療ばかりしている当方はどうなんだろうかと思うが、まあこれも地域医療だ。

コメント
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