なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心房細動の抗凝固療法

2017年08月27日 | Weblog

 「もう怖くない!心房細動の抗凝固療法」小田倉弘典著(文光堂)を購入した。高齢者の抗凝固療法の考え方として、自立した高齢者には原則投与、虚弱高齢者にはなるべく投与、要介護高齢者(要介護4、5)には原則非投与とある。確かに、そのあたりが妥当なのだろう。治療のコツが詳しく記載されているので、読み込んで理解したい。昨年あるセミナーに行った時に、参加されている先生の中に、小田倉先生がいらしていた(ネームプレートを見て気づいただけ)。

 日本には140~150万人の心房細動の患者さんがいるので、専門医だけでは対応できず、プライマリケア医も治療するようになる。診断がついた時点で一度は循環器科で評価してもらうのがいいと思うが。

 心臓血管センターのある病院に転送した心不全増悪の60歳代後半の女性は、軽快・増悪を繰り返して、結局亡くなったと返事が来ていた。冠動脈造影で描出されるレベルではインターベンションの適応となる有意な狭窄はない方だった。おそらく微小血管の問題なのだろう。糖尿病歴が長く、脳梗塞後遺症・認知症でインスリン強化療法と内服薬の管理は夫がしていた。最期は、NPPVから気管挿管に移行するかどうか家族に相談して、もう苦しませたくないということになったそうだ。限界だったと思う。残念な結果で申し訳ありませんという文面だが、これまで心不全増悪時に何度も助けてもらって感謝してます。

コメント
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