地域の基幹病院呼吸器内科から、81歳男性が転院してきた。この方は3年前に当院に急性肺炎(右上葉)で入院した。「抗菌薬に反応しない肺炎」として、内科の担当医がそちらの病院に紹介していた。その時の画像。
転院後、特発性器質化肺炎と診断されて、ステロイドが投与された。初期量に反応して改善するものの、漸減して再燃を繰り返していたそうだ。ステロイド減量のために免疫抑制剤を併用していたが、効果はなくかえって副作用で中止になった。
直近の病状としては、プレドニン12.5mg/日で再燃して、30mg/日に増量して改善している。現在プレドニン20mg/日になっていて、漸減しても15mg/日で留めるようにと紹介状にあった。1週間前の画像がCDで送られてきた。右上葉と左下葉に浸潤影と肺の縮小による直線的な陰影がある。
教科書的には、「臨床症状と画像所見が、細菌性肺炎と類似しており、抗菌薬治療に反応が乏しい肺炎として呼吸器内科に紹介されることが多い。非区域性の浸潤影と周囲のスリガラス影を呈し、この画像パターンをOPパターンと呼ぶ」、とある。
今回はリハビリ目的の転院になっている。何とかトイレまでは歩けるらしいので、そのまま自宅退院でもよかったのだろうが、家族が承諾しなかったので当院転院でワンクッションという、いつものパターンだ。当院入院中はプレドニン漸減はしないことにした。それにしても患者さんの貧血が気になる。消化管に何かありそうだ(検査値は送って来なかった)。