なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

94歳肺炎の外来治療

2016年08月02日 | Weblog

 循環器科にうっ血性心不全(心房細動・陳旧性心筋梗塞)で通院している94歳女性が、先週内科外来を受診した。右肺下背側にair bronchogramを伴う浸潤影を認めた。胸水や浮腫の悪化はなかったが、BNPは普段より悪化していた。誤嚥性肺炎のようにも見えるが、年齢の割にはしっかりしていて、何とか自力歩行できる方だった。

 先月にうっ血性心不全の悪化で循環器科に入院して、治療途中で希望により退院していた。循環器科医に相談すると、患者さんが入院する気があれば診ますがということだった。酸素吸入は要さない状態で、ご本人は入院したくないという。食欲低下はあるが、それは退院したからずっと同じで、そこからさらに低下したわけではないという。繰り返し訊いても入院はいやと言われ、家族(娘さん)も本人がそういうなら仕方ないと言う。

 外来で500mlの点滴をしていたが、抗菌薬の点滴静注をして、半分で中止とした。抗菌薬は内服(グレースビット)にして、外来治療とした。悪化したら、すぐに受診することとしたが、途中で受診することもなく、予約日の今日受診した。白血球数は正常域となり、CRPも1/3の値になっていた。胸部X線は読みにくいが、悪化はしてない。検査上は著効を呈したことになる。抗菌薬を少し追加して、来週は循環器科の外来予約があり、胸部X線・心電図・血液検査が予定されているので、そこで診てもらうことにした。

 体力低下に何か処方しますかと訊くと、自分で市販の漢方薬を買って飲んでいるというので、補中益気湯も処方してみた。循環器科の処方は、ダイアート・アルダクトンA・メインテート・サムスカ・ピモベンダン・ハーフジゴキシン・エリキュース・バイアスピリンとフルで入っている。

 

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