なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

見逃した肺炎

2016年08月12日 | Weblog

 昨日の日直で33歳女性が発熱・関節痛で受診した。前日に発熱・咳・咽頭痛で内科医院を受診した。風邪として処方を受けたが、発熱が続き、関節痛がひどいと救急外来を受診した。患者さんの希望は、「関節痛がひどいので注射してほしい」だった。

 インフルエンザの流行期ならインフルエンザといいたくなるような症状だなと思った。内科医院の薬は、咳止めと去痰薬、抗菌薬メイアクト(そこの医院で愛用している)、カロナールなどが出ていた。関節痛の注射は勘弁してもらって、NSAID(ロキソニン)を追加処方した。

 発症して3日目だし、胸部聴診も異常なかったが、肺炎がないかどうかレントゲン写真を撮りましょうと、胸部X線検査をしてしまった。大きな乳房の陰影が重なった部分が白っぽく写るが左右均質だし、以前に撮影した胸部X線と比較しても変化はないと判断して、肺炎はありませんと説明した。

 今日その内科医院を再度受診して、血液検査の結果、白血球数2万・CRP20と出た。当院へ紹介されて別の内科の先生が診察した。胸部CTで両側肺に斑状影が数か所あり、肺炎だった。レボフロキサシン内服で外来治療となった。尿中肺炎球菌抗原は陰性だったが、非定型ではなく細菌性だろう。

 外来の看護師さんから教えてもらって(昨日の日直を一緒にしていた)、胸部CTを確認した。改めて昨日の胸部X線写真を確認したが、それでも単純x賤では陰影を指摘できなかった。まあ見る人がみればわかるのだろう。状況的に無駄な胸部X線をオーダーして、さらに肺炎を見逃すという結果になってしまった。修行が足りないということなのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする