なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

かみつこうとする人

2016年08月18日 | Weblog

 認知症で精神科病院に通院している85歳男性が、高熱で動けなくなったと救急搬入された。救急室に入ってくるなり、痛い触るなと大声で叫んでいた。看護師さんに言われておとなしくうなづいたかと思うと、次の瞬間にはにかみつこうとして起き上がる。ひとりで在宅介護をしているお嫁さん(妻と息子はすでに死亡)は良くみているものだと感心する。

 偽痛風による関節炎なら外来治療できると希望的に思って診察したが、関節炎はない。胸部X線・CTで右肺の背側に淡い陰影があり、肺炎と思われた。軽度の酸素飽和度低下で酸素吸入をしてきたが、すぐに外してしまうのと、酸素なしでも酸素飽和度が90%以上なので、中止した。普段は普通に歩けるのがかえって困る。

 お嫁さんと相談して、まず入院治療で経過をみるが、たぶん途中で帰ると言い出して(入院自体イヤだと言っているが)早期退院になりそうとお話した。当院らしい入院だ。先日は外来で認知症の高齢者に看護師さん2名がかみつかれた。

 医局に戻ると、基幹病院腫瘍内科の先生から転院依頼の連絡が来た。手術不能の胆嚢癌の60歳代女性だった。化学療法中に多発性脳梗塞になって寝たきりで意識もない状態だという。週明けに引き取ることにした。こういう入院も当院らしい。今週同じ先生からの紹介で転院してきた直腸癌・膀胱浸潤の60歳代男性は、Hb8.8g/dlでとりあえず当面輸血は不要だった。

コメント (1)
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