なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

逆流性食道炎でした

2016年03月17日 | Weblog

 3日前に月曜日に施設に入所している61歳男性(精神遅滞)が嘔吐が続いて救急搬入されていた。嘔吐が始まったのはその日の朝からということだったが、急性腎前性(推定)腎不全を呈して、炎症反応も上昇していた。胸やけの訴えがあったが、腹痛はなく、経過をみても下痢はなかった(時節柄ノロウイルス胃腸炎を想定していたが)。

 点滴とオメプラール静注で、翌日の夕方からは嘔気だけとなり、昨日は嘔気もほとんど治まってきた。今日は食道胃病変を見るために、上部消化管内視鏡検査を行った。食道裂孔ヘルニアがあり、ほぼ全周性に発赤・びらんがあり、中部食道まで及んでいた。胃~十二指腸球部は異常がなかった。この方はクリニックからPPI(ランゾプラゾール)が処方されている。症状が治まった今日の所見なので、入院時はさらに悪化していたのかもしれない。わかってみれば重症の逆流性食道炎だった。処方は当然タケキャブにした。ガスモチンも併用した。

 入院時の腎機能障害も改善していた。腎前性でいいようだ。施設の職員から穏やかな性格と言われていた通り、ちゃんと人生初の胃カメラも受けてくれた。連休明けまで経過をみて退院にできそうだ。

 昨日「内科主訴25の確定診断術」塩尻俊明先生編集(文光堂)を購入した。いかにも研修医向けの本だが、問診のコツが記載してあり、他の本とちょっと違う(頻度順だが、疾患の並べ方がバラバラ)特徴のある本だ。

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