昨夕51歳男性が突然の胸背部痛で救急搬入された。昼食は忙しくて食べられず、夕方に弁当とカップ麺を一気に食べた。食後に腹部膨満感が出現して、その後に胸背部痛・冷汗が出現した。症状が続くので、救急要請した。
午後6時半に救急搬入された。当直医は内科の若い先生だった。たまたま帰ろうとしていた循環器科医も救急室にいた。急性冠症候群か大動脈解離かという予想だったので、まず心電図をとったが、まったく異常はなかった。症状は救急要請した時よりも軽減していた。血液検査では異常がなく、胸腹部造影CTで大動脈解離はなかった。所見としては、胃が食物で拡張していた。十二指腸球部から下行脚まで拡張していて、水平部が腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれているように見える(角度は18度)。これまでそういう既往はないが、一時的に上腸間膜動脈症候群を呈したのだろうか。
しだいに症状は軽快して、そのまあ左側臥位で休んでもらうと症状は消失して、帰宅となったそうだ。正確には、九州から出張で来ていたので、ホテルに戻った。細身の方だが、極端なやせでもない。最近の急激な体重減少もない。角度は急なので、過食でなりやすいということはあるかもしれない。十二指腸下行脚まである程度の拡張があるので、急性胃拡張とはいいにくい。
内科の若い先生が電子カルテの診察所見のところに、CT画像を取り込んでいた。今日、消化器科医と外科医と画面を見ていたが、CT画像の取り込み方が誰もわからなかった(当院は電子カルテに移行のトレーニング中)。医者になった時から電子カルテだった若手は違うという話になった。