なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ケフレックス

2015年04月05日 | Weblog

 岩田健太郎著「目からウロコ!外科医のための感染症のみかた、考え方」を通読。2/3はドトールで読んだ。セフェム第3世代経口薬(フロモックス、セフゾン、メイアクトなど)はbioavailabilityが20~30%と吸収が悪すぎて、臨床的には使う場面はほとんどないという。そもそも1回1g単位で使用するセフェム系点滴静注薬に対して、第3世代セフェム系経口薬は100mgの規格になっている。実質吸収されるのは20~30mgということになる。ひょっとしたら尿路感染では効くかもしれないが、気道感染では効きそうもない。

 点滴静注でセファゾリンを使うような連鎖球菌・黄色ブドウ球菌を狙った状況では、第1世代のケフレックスが推奨されている。1回500mgを1日3~4回投与で、bioavailabilityが90%以上なので、十分な投与量になる。当院の院内処方にケフレックスはない。オーダー画面に入っていないので、院外処方もできない(手書きすれば出るが会計できない)。院内のセフェム系はケフラール・フロモックス・メイアクト・セフゾンが入っている。婦人科はフロモックスを、循環器科はメイアクトを、小児科はセフゾンを処方している。循環器科は点滴静注もオメガシンを愛用している。明治製薬に義理があるのか。

 当院の新規薬採用の条件は、すでにある薬剤との交換になっている。つまり1剤を減らして、その代わりに1剤を採用する。薬剤の総数を増やさないということだ。ケフラールはあまり使用されていないので、ケフレックスと交換できそうだ。岩田先生の他の本には、第3世代経口セフェム系を1剤選ぶとしたら、保険上問題なく倍量処方できるメイアクトがいいと書いてあった。つまり、経口セフェム系抗菌薬は、ケフレックスとメイアクトだけでよいという。第3世代セフェム系経口薬は1剤だけにまとめしょうというのは、もめそうなので言わないことにする。他にほしい薬剤を入れる時の交代要員として、とりあえずそのままにしておこう。

コメント (1)
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