雨の中、駐輪場から自転車を出そうとすると、後輪の空気が抜けていた。
パンクのようだ。
近くの自転車屋さんに運ぼうとすると、おっさん二人旅のもう一人のメンバーが「パンク修理道具一式がある」という。この夏も、自宅から甲府~諏訪湖を走破した男である。山中でパンクした時を想定して常に携帯しているのだ。
近くのコンビニが入っているビルの軒先を借りて、にわか自転車屋さんの修理が始まった。助かるなぁ。ただ、僕も見ているだけというわけにはいかない。そこで、雨でできた水溜りにチューブをつけて穴を探した。水溜りとはいっても、深さがないのでなかなか難しい。困ったもんだと思っていたら・・・
「おーい、そんな所じゃだめだろ、パンクだったらバケツに水張らなきゃよ」
後ろからそんな声がかかった。
振り向くと、そのビルの駐車場を管理しているおじさんが笑っていた。こっちにあるからと、用意までしてくれたのだ。
「おれも江ノ島に行くときパンクして大変な思いをしたことがあるんだ」
「子供んときに自転車屋の修理を見るのが楽しくってさ」
「応急処置はガムテープでやっあことがあるよ」
自分の仕事の合間にやってきては話しかけてくれる。最後には「手を洗っていきな」と。
いい友、いいおじさんに出会って、後輪はすっかり元気になった。
お礼を言ってペダルをこぎだすと、雨は上がり夏のような日差しが戻ったのである。
写真は、その自転車をこいでの帰り道、湘南大橋(正式には「トラスコ湘南大橋」)から。
以前のパンク修理の様子。
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